平家物語 その7 吉野雛


HANA・SORAで読む平家物語
その



エピローグ 吉野雛







阿部麻鳥(あべのあさとり)
その妻
蓬(よもぎ)

この二人は
平家物語全編を通じて登場します



年老いたこの夫婦

平家物語は
この夫婦が満開の桜をみながら

いろんなことがあった
いろんな人が散っていった


そういったことを語る場面で
終焉をむかえます





阿部麻鳥

戦乱の世の中で、
貧しい民のために尽くした
まこと仁の医師でした

そして
戦で焼け出された孤児たちを
すべて引き取り

極貧にあって自分達の食べるぶんを切り詰めても
この戦災孤児たちを養った

美しい慈愛に満ちた人でした



しかしそのせいで
家庭は貧しさを極めてしまい

妻の蓬には大変な苦労をさせてしまったのでした・・


もっと楽をさせてあげたかった

思えばこの妻には本当に苦労ばかりかけてしまった

心の底から申し訳なく思う




それでもついてきてくれたこの良人(つま)

孤児たちの世話をまかせっきりにし、
自分は典医として戦場に出向することが多く

心配ばかり苦労ばかりかけてしまった





今、
歩んできた道のりをふりかえり



咲き誇る桜の下、
麻鳥は心の底から万感の思いを込め

こう言わずにはいられませんでした

「おまえには、ずいぶんと苦労をかけたね・・・」







正直なところ
蓬は麻鳥をうらみに思ったことも多々ありました


麻鳥が関係のない無数の戦災孤児を
ひろってくるおかげで



そのせいで家は赤貧を極め

家庭は崩壊



一人息子はなけなしの家の金を盗んで
家出して盗賊となり

麻鳥のおかげで
一家は滅茶苦茶



源氏から目をかけてもらい
貴族の医師として裕福に暮らせる選択肢もあったというのに、

貧民街に身を置き
診療代なしで儲けにならない治療ばかりする毎日・・



「この変人のおかげで
自分はとんでもない苦労を背負うはめになった!!」



蓬は

そう思って
麻鳥をうらんだことも多々あったのです





しかしこの時、
蓬はもはや
そんな事はどうでもよくなっていました

むしろ
そんな感情を持った自分を恥じ

夫麻鳥に対して尊敬の念意外は、
もはや何も存在してはいませんでした

「この良人を罵り、恨み、蔑んできた自分が恥ずかしい・・・」


04SEP08 199SORA「いいんでしゅ・・ いいんでしゅよ!!」








「あぁ、ずいぶんと長い年月だった・・
みんなみんな、散っていった・・・」

この大乱の世の中、
よくもまぁこんなちっぽけな夫婦が
踏み殺されもせず生き延びてきたものだと思う




麻鳥はそう思い、


そして

自分を支え、苦労をかけっぱなしだった妻を見つめました





「今まで本当にありがとう・・
苦労をかけっぱなしで本当にすまなかったと思う。
しかしここまでよくぞ、よくぞついて来てくれた・・・」


そんな想いを込めた麻鳥の視線に


蓬は
この良人を恨みに思ったことを後悔し恥じ、

そして良人(おっと)を見つめ返すその眼差しはこう語っていたのでした

「よくよく私は幸せ者だったのです。
あなたについてきて本当に良かった・・・」




sora scaredSORA「ひっ、ひっ、ひっく!・・・ぐひっ・・ぐしゅ!ジュルル!あふあふあふあふ・・・おろろ~ん!!」

pokkunngoukyu.jpgSORA「ぽっくん号泣でしゅ~!!」



HANA majimajiHANA「そら・・・」 (鼻水がキタネーぞな)







「よくぞ、わしのような男に・・・・・」

麻鳥は
礼やら詫びやらを言おうと考えましたが

どうしても上手い言葉がでてこず


満開の桜の下
こう言うことしか出来ませんでした



「お弁当、美味しかったねぇ・・・ 蓬・・・・・」

「本当に・・ 夢の中で食べているようでした」

「ほら、鶯が鳴いている。極楽というのはこんな日のことだろうねぇ。」

「えぇ、わたくしたちの今が」

「本当の幸せというのは、つきつめたところ今のようなことを言うんだろうね・・・」






sora kire XLARGESORA「うぉぉぉん!!」

hana 1HANA「この戦乱の世、こうした小さい幸せもあった・・・ それでいい。もうそれだけで、なんだかHANAは救われた気がするんぞなもし・・・」
















地獄のような戦乱の日々は終わり

平和がおとずれました




そして

この老夫婦の姿を
桜のかげからみて
号泣している一人の男がいました



それは更生し、
生まれ変わっていた二人の息子、

阿部麻丸だったのでした・・・








こうして

この長く、激しく、悲しい物語は



静かにその幕をとじたのでした・・・










HANA・SORAで読む平家物語























↓麻鳥と蓬
新・平家物語〈16〉 (吉川英治歴史時代文庫)新・平家物語〈16〉 (吉川英治歴史時代文庫)
(1989/10)
吉川 英治

商品詳細を見る





スポンサーサイト

| はなそらDAYz!ホーム |

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://hanasora0526.blog72.fc2.com/tb.php/521-04366ee7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザーのみ)