八甲田山 死の彷徨 その4


八甲田山 死の彷徨





その4









中隊編成(200人規模)の大人数で

積雪2メートル以上の雪山を行軍する青森第五連隊。



隊列は縦に伸び続け、

物資運搬のソリ隊が次第に遅れはじめます。



普通に歩行することでさえ困難であるのに

食料や燃料、設営機材などを積載した巨大ソリです、

遅れて当然です。



何人かが支援に向かいますが、

ついにソリは放棄されることとなります。。



この雪中行軍は、

雪山で軍の展開が可能か否かのテストも兼ねていました。

したがって、

兵士は重い背嚢を背負い長銃も携帯した通常の装備をしています。



そして

それに加え

各員ソリの荷物を分散して運ぶこととなります。



果たして

そんな異常な装備

異常な環境下で

この厳しい訓練をやり遂げることが可能なのか?





深い雪に埋もれ

重い荷物を背負い、

あえぐように進む隊員を見ながら

神田大尉は決意します。



「雪中行軍はここまでだ。

今ならまだ何とか帰営できる。」






しかしここで

山田少佐の横槍がはいります。



「これしきの困難が何たるものか!

雪中行軍は続行する!出発!」






今回の雪中行軍隊の指揮権は

神田大尉にあったはず。

如何に階級が上とはいえ、

なぜ随行員であるはずの山田少佐が命令を下すのか?





青森五連隊全員が皆その疑問を持っていました。

当然、神田大尉もそうでした。





しかし

階級社会の軍隊に於いて

神田大尉がその疑問を口にすることは許されません。

黙ってぐっと堪え

命令に従うのみなのでした。





こうして青森五連隊の雪中行軍は

部外者が指揮官きどりとなった状態で続行となっていきますが・・




強行して進軍した結果

日没により前後不覚となって

隊は野営を余儀なくされます。





日没後は、気温は急激に下がります。

凍えつく寒さ、

荒れ狂う凄まじい吹雪、

雪山の夜は

兵士たちの体温を容赦なく奪っていきます。




体感温度マイナス50度の中での野営、

防寒装備の研究を兼ねた訓練でもあるため

皆ろくな装備をしていません。

塗れた靴下が凍りつき

この時点ですでに多くの凍傷被害が発生します。





初日の目的地、

田代温泉はいったいどちらの方角にあるのか?




へたに動けば迷ってしまう





前に進むことも

後ろに下がることも出来ない。



その場に留まるしかないのだが

その間、体温は奪われ手足は凍りついていく。









動くことも出来ない

とまっておくことも出来ない





状況が悪化の一途をたどる中、



青森第五連隊はどうなってゆくのか・・・。










さて、

弘前三十一連隊は計画通りに

雪山を踏破してゆきます。

予め民家に宿泊できることが決まっていましたので

そこで十分な休息がとれ、

塗れた靴や装備品を乾かすことも出来たのでした。





この時

八甲田山一帯は記録的大寒波に襲われていました

凄まじい吹雪に民家の柱は軋み

今にも崩壊するかと恐怖するほどでした






「神田大尉はどうしておられるだろうか・・・」



徳島大尉は

寒さに耐えながら

八甲田できっと会おうと約束した友人のことを思い



暗闇の中で天井をずっと見つめていたのでした・・・






















吹き付ける風!

激痛の凍破威!





荒れ狂う猛吹雪の前に

人間など無力な存在にすぎない!!





何もない雪原の中で

野営を余儀なくされた青森歩兵第五連隊!!












進んでも死!

とどまっても死!




極寒地獄の中!


彼らはいったい

どうなってしまうのか・・・・・・・!!












その5に続く


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コメント

この話は人災でもあるから、切ないよねぇ。
展開は知ってるのに、息を詰めてこの一連の記事を読んでしまうよ。
(そんで書いてるパパも息を詰めてるのがわかる。はなそらちゃん出てこないしw)

ほんと、ガチで自然相手にニンゲンなんて、なんて無力なことか。だからこそ、自然を賛辞したくなるのだけど。

=つゆ様=

確かに。
人災なんですよね、これ。
それだけに、実にやりきれない思いがします。

八甲田山は、
一度はおとずれてみたい場所のひとつです。


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