はなそらで読む世界の文学 モーパッサン「女の一生」その11(最終回)


はなそらで読む世界の文学シリーズ
モーパッサン著「女の一生」
その11(最終回)



懐かしいお母さん
私は今非常に不幸な目に合い困っています。
妻が三日前に子供を産み落としたまま
死にかかっているのです。
手元には一文もありません。
子供の育て方もわからないので
このままでは死なせてしまうのではないかと心配です。
里子に出すお金もありません。
お母さんが引き受けて育ててはくれませんか?

あなたを愛する息子ポール




hana aHANA「おぅおぅ兄ちゃんよー?ええ加減にしちょいてくれんかのうぉもし?調子こいとったら頭蓋骨噛み砕いて英語で言うとクラッシュクラッシュぞなもし!」

sora scaredSORA「ひぃぃぃ!ガクガクブルブル


手紙を読んだジャンヌは
その場に座りこんでしまい、
なんとかロザリを呼ぶのがやっとでした。

2人は手紙を何度も読み

しばらくの沈黙の後ロザリがこう言いました。

「私が赤ちゃんを連れに行きますよ、奥様。
こんなふうに放っておくわけにはいきませんから。」





ロザリは公証人と細かい打ち合わせをし
明日といわずその日の夜のうちに
パリに旅立っていきました。

「ご心配いりません。
こうなったら私がお引き受けしました。」




hana 3HANA「ロザリ・・・頼もしすぎる!!」

sorasora.jpgSORA「そこにシビれるッ!そこに憧れるゥゥ!!」



そうして数日が過ぎ・・・

ついにロザリが帰って来る日となりました。


ジャンヌは駅のホームで長い時間ロザリの帰りを待ち

はるか地平線の彼方に延びる汽車のレールをずっと見つめていました。



そして

白い煙が見え

黒い点にしか見えなかった汽車が
段々と近づいてきて


ついにジャンヌの元に到着しました。





「こんにちは、奥様。帰ってまいりました。
なかなか大変でしたよ。」


ロザリは着物にくるまれた赤ちゃんをジャンヌに差出しました。
ジャンヌはあまりの心的疲労のため、
それを機械的に受け取るのがやっとでした・・




ロザリの話によると、
母親の女は出産の後亡くなったとのことで
ポールは葬式がすみ次第帰って来るとのことでした。

「ポール・・・」
ジャンヌはそう呟き、それから後は何も言いませんでした。。





帰りの馬車の中、
ジャンヌは何かを考える気力すらなく・・
ただただまっすぐに前の空間を見つめていました。

その空をツバメたちが弧を描いて飛んでいったその時!


突然心地よいほのかな暖かさが!

生命のぬくもりが!

彼女の着物を通して
足に伝わり



体の中にまで染みこんできたのです!






そう



それは





膝の上で眠っている小さな赤ちゃんの体温だったのです。







この時

限りない感動がジャンヌの胸をひたしました。


ジャンヌは
赤ん坊の顔の覆いを取りのけました。



女の子でした。





「息子の娘だ!」



急に日差しにさらされた赤ちゃんは、
口をむぐむぐさせて両目を開きました。





このか弱い赤ちゃん


ジャンヌは愛おしさのあまり

赤ちゃんを両手に抱え上げ

接吻の雨を降らせながら狂ったように赤ちゃんを抱きしめました。


「さぁさ、奥様、およしなさいまし。
泣かせておしまいになりますよ。」

ロザリはジャンヌを引きとめながらそう言いました。


そして自分の中の考えに答えるように
こう一言言いました・・・





「世の中って、ねぇ、人が思うほどいいものでも悪いものでもありませんね。」











この物語は
このロザリのセリフをもって終了します。

はなそらパパは、この物語はジャンヌが亡くなって終了するものかと思っていました。

しかしそうはならなかったのです。


最後の最後に

未来への希望を残して幕を閉じたのでした。






最後のロザリのセリフは大変に重く
たくさんの意味や思いが込められているものだと思います。


彼女自身、農奴の身分に生まれ
ジャンヌ以上に過酷な人生を過ごしてきました。


苦しいことも悲しいこともたくさんあったはず。


しかし

息子と2人で夕食を食べるといったような
ささやかな幸せの時間もあったはず・・


過酷で苦しい苦難の人生であったとしても


楽しいこともたくさんあったはずなのです。




幸福な時間に感じた暖かさ

人生の意味を感じることの出来るこの気持ち


それが
この最後の言葉に込められている・・・


はなそらパパはそう感じました。








世の中とは

辛いこともたくさんあるし

苦しいこともたくさんあります


でも

こんな幸せなことだってあるんですよ


ねぇ・・奥様


人生って

人が言うほど
悪いものじゃないでしょう?
















はなそらで読む世界の文学
モーパッサン著
「女の一生」









おわり

















人生の希望と未来を描いた
「素晴らしき人間賛歌」の物語・・・

皆さんがこれをきっかけに
この作品に興味を持って下さったら嬉しいなぁ

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コメント

読みきりましたよ~!!
長編でしたね♪
生命と人生は色々でロザリの感じた言葉はその通りかもしれないかな。ジャンヌの時代は富と貧の差が激しいから
今のようにアバウトにできなかったのでしょね。

=くろりん様=

おぉ、読んでくださってありがとうございます!

正直なところ、ワンコブログで文学ネタをやっても
場違いかな~っとちょっと心配だったんですよーi-229
でも、こうして読んでくださる方がいらしただけで
はなそらパパ大満足です!

この作品は、
全体に暗い雰囲気で進行するのですが
最後のあの終わり方で全てが救われ
そして後はもう未来への希望しか見えない状態になる・・

そこが好きなんですよ。
世の中はたくさんの辛いことがあるけども
でもこうして素晴らしい感動もある・・
それを教えてくれる
もうこれ以上の上は考えられないくらいの
希望と愛に満ち溢れたラストのような気がします。



フランス文学はモーパッサンの他にも
ユゴーの「レ・ミゼラブル」やスタンダールの「赤と黒」、そしてサン=デグジュベリの「夜間飛行」などなど・・・
ゾラやバルザック、もうホント、たくさんの素晴らしい作家や作品が目白押しです!
そのうちまた気が向いたらやろっかな~i-278

くろりん様、最後までお付き合いいただいて
どうもありがとうございました!!

ハラハラして読ませていただきました。
当たり前にある幸せこそ、尊いものだということを、つい忘れてしまいます。

生きている限りいろんなことがありますもんね。
それをどう感じ、どう生きるかは自分次第。
そう感じました。
だったら、ロザリのように些細な幸せを感じるココロは持っておきたいです。

うまく書けないのがくやしー!
でも感じることがたくさんありました。ありがとうございます!!

=アレママ様=

おぉ!どうもありがとうございます!!
読んでくださったうえにコメントまで・・感激です!!!

こういった文学とは、
必ず作者の実体験、あるいは誰かしらの実体験を元に書かれているものだとあるサイトで教えていただきました。
ロザリの人生もジャンヌの人生も、
決して単なる創作ではなく
「実在した誰かの人生そのもの」なのです。
だからこそ、そこに感動が生まれるし
アレママ様も感じるところがあった、と思ってくださったのだと思います。

こうして百年以上前の、
国も違えば名前も知らない人たちの人生を
今この時代に感じることが出来る・・
文学って素晴らしいですよね。

これからもまた機会があったら
文学の紹介をしてみたいと思います。。。

ある人の受け売りですが、
こういった人類の遺産は
後の世に伝えていかねばなりませんからi-278

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