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写真


写真を撮ることは保険のようなもので、
後からいくらでもその光景を見返すことが出来るという油断から、
その瞬間にその光景に出会った感動を
おざなりにしてしまう恐れがある。

現実のその、
実体験で感ずる衝動は
その瞬間にのみ感ずることが出来る
刹那的なものであるからこそ、
消えてしまう前提だからこそ、
重大な価値があり意味があるのだという。

だから、その瞬間に集中する為にも、
写真は撮るべきではなく
現実世界のリアルを感ずることに
全身全霊を向けてもらいたい、と、
そいういった内容のある高僧のお話を聞いたことがある。

なるほど。
それも一理ある。

しかし、写真というものは実に偉大で
その時、その時の空気をそのまま密封して
遺すテクノロジーだと私は思っているので、
全面的に同意は出来ない。
琥珀に閉じ込められた白亜紀の生物のようなもので、
確かにその時、そのままの時間を
閉じ込めて保存するのが写真なのである。

過ぎ去った時間、
去っていった人たち、
みんながかつてそのままの姿で、
写真の中にあるのだ。
その時の感情や思いや愛おしさや切ない気持ちや、
何十年も前の自分そのままが蘇ってくる。

全てを失くした現実と照らし合わせれば
それは残酷な凶器にもなりえるが、
かつて存在した倖いが確かにこの手にあったという
その証拠を、
この目で確認したくなるのが人というものだ。

私は今夜、
この写真を抱きしめて涙を流そう。
しかし明日は、
現実の世界の太陽のもとを
胸を張った大股で歩いて行こう。



読んでくださった方、ありがとうございます。
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