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熊野を思う


熊野の旅の思い出は私の心をすっかり支配して
その思いは薄れるどころか
時と共にどんどん強くなってゆく。

この懐かしい感じは何だろう。
人生のある一点に於いて感じた夏草の香り、
帰るべき家と家族の食卓。
人生の終焉どころか
過去にも現在にも未来にも、
何に対しても不安も恐れも慄きも感じず、
損失の恐怖など微塵も知ることのない
雲のように自由な子供の時代。

山は高く、川は力強く、
見るもの全てが私の背丈を遥かに超える存在、
そんなちっぽけなハズの私が感じた
何の心配事もない万能感。
小さな子供の無力を自覚しつつ
その責任を年齢のせいにして
安心して大人に頼っていた日々、
何も考える必要がなかった。

私は、熊野で山の斜面を滑空した。
山道を駆け回る子供の私を眼下に、
今は風となった花そらと一緒に
広大な青空に溶け込んだ。
そのまま消えてなくなり、気が付いたら
夜の熊野を汽車に乗って旅していたのだ。
そして今、また、ここにいて、
遠い熊野を思っている。





夜の闇をゆく車窓の光はぼんやりと暖かい

31AUG19 - 01SEP19 KUMANO 1 033a








読んでくださった方、ありがとうございます。
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