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遊歩道


私の住む住宅地の中心を貫いて
一本の遊歩道がはしっている。

近くの城跡の公園から市のスポーツ施設を繋ぐこの道は
しっかりと整備管理されて
常に清潔な様相を保っている訳だが、
そこには、多くの方の影の献身がある。

私の出勤時間は早い。
人も車もまばらな時間から
この遊歩道を通って職場に向かう。
ある朝、
いつもと変わらない道を進みながら、
ハッとする光景に出くわした。

大量のゴミが放置されている。

夜のうちに数人で飲み食いし、
そのままにしたものと見える。
なるほど、夏休みか。
美しい街並みにかかれた
スプレー缶の落書きを見た時のような
嫌な気分に朝からうんざりした。

帰宅時、辺りはすっかり夜で
進む先には街灯の明かりが
点々と散らばる小島の群れのようだ。
本来美しいこの遊歩道だが、
朝のゴミを思い出して
現地に接近するにつれ気が沈んでゆく。

ゴミがない。
跡形もない。

遊歩道は再びその清潔な姿を取り戻し
微かに涼やかな風が何事もなかったかのように
吹き抜けてゆくのみだ。

かつて目撃したある光景を思い出した。
あの早朝、一人で黙々とゴミを片付けていたご年配の紳士。
ゴミを捨てる者もいれば、それを片付ける人もいる。
あの当時、
散乱するゴミがいつの間にかなくなっていることを
深く考えもしなかった。
然し、ゴミが独りでに消滅することなどあり得ない。
誰かが片付けているのだ。

この事実を再認識し、
私は、心のなかで深く合掌したのでした。





読んでくださった方、ありがとうございます。
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