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熱唱


Katy Perry という合衆国の歌手あり。
ポップで明るい曲が多く、
ある種、若さからくる短慮さや迂闊さを
晴れ晴れしく陽気に昇華させている印象だ。
彼女の世界は若さを楽しむ喜びで満たされていて
それは微笑ましほどの陽性である。

そんな明るいアルバムの世界であっても
中には思い煩う曲も存在する。
歌詞はいろいろ問題が生ずるとおもうので
ここでは出さないが、
その曲は若いカップルが破局しての後を
女性の視点から歌ったもので、
アルバムの雰囲気に則した明るいメロディーではあるが、
訴えかけてくるような歌詞はなかなかに重い。

この曲は別れの後、
最初の出会いを思い起こす場面から始まる。
高校の後の夏、盗んで飲んだ親の酒、一緒にいれたタトゥー、
まるで何か現実的な根拠があるかのように語り合った未来、
凡ては過去の遺物となってしまっていて、
思い出を語る主人公は痛々しい限りだ。
世界を敵に回しても、といったくだりなど、
所々に刺すような強烈な言葉が紡がれていて
これがこの曲を
他の明るい曲とは一線を画す存在としている。
ポップでありながらも切ないのだ。

特にサビの部分、
別の人生ではあなたとこうありたい、という
絶対に叶わない願望を語るくだりに至っては
最早その力強い歌声に涙がまじっているのではないか、と
錯覚するほどだ。

当然であるが、
私がこうした若い女性の恋愛の事情に共感することはない。
然し、私の心を捉えたのは
「もしもまた別の人生があるのならば」
この部分である、悲しい願望を語るくだりである。
聴き手というのは自分の都合に合わせて歌を聴き、
自然と自分の事情に重ねてしまうものだ。

「もしもまた別の人生があるのならば」
花とそらとまた一緒に…

こんな風に繋がってくると、
もうダメだ。 もういけない。
その歌は最早、失恋の歌ではなくなる。
自分の人生の損失をテーマとした一曲に変貌するのだ。

曲は、事情や背景の説明を経て、
サビの部分で歌い手の感情の頂点に達する。
車を運転しながら熱唱する私の気分も
クライマックスとなり、それはどうやら、
信号待ちの停車中に
目の前を横断する年配のご婦人が
顔を背けて笑いをこらえるほどとなったようだ。
車は個室と勘違いしがちだが、
この点には注意が必要というお話。



読んでくださった皆様、有難う御座います。
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