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人間世界の中の猫


もう完全に陽の落ちた帰宅の路に
猫の家族を見た。

母猫とおぼしき茶色の美しい猫が
草むらに身をかがめており、
三匹の子猫が寄り添うそうようにして
頑なに身を緊張させている。

皆がこちらを見ている。
目には警戒の色が浮かび
そこから怯えが読み取れる。
私は決してこの子らの敵ではないのに。

この家族が笑って暮らせる日はくるのだろうか。
私はなんだか悲しくなった。
人の世界にひっそりと生まれた野良猫の家族に
倖せはあるのだろうか。
母親の温もりが唯一の倖せなのだろうか。
何のために生きるのか、命とはなんなのか。
この純粋無垢な魂の尊さは絶対だ。
それなのに、
その澄んだ心に平穏を予感出来ない。
見ないふりをして立ち去るしかなかった。



いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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