普通の日々


私とボクシングは最早20年の付き合いとなった。
ジムで一緒に汗を流す面子も
気心のしれた良い仲間である。

さて、その中でA氏は先日膝を痛め、
サンドバッグを打つスィングがゆっくりだ。
前に出す足の膝を痛めると
パンチに体重が乗らなくなるので、
ここは無理せず、ゆっくりとコンビネーションを
確認するかのような、穏やかな動きだ。

B氏は長年膝を痛めており、
こちらは30代後半でありながら
すでに70代の膝と診断されているほど
関節が摩耗している。
軟骨は再生しないので、
ガッチリとサポーターで固めての
ワークアウトとなるが、
パンチの基本となる下半身の粘りがないため、
かつてのハードパンチが
今では28サンチ砲の空撃ちのようになってしまった。

C君は常にオーバーワーク気味なのだが、
ついに足首の靭帯を痛めてしまって
いつもの軽いフットワークを踏めずに
ほぼ棒立ちの軽いシャドーを流している。
皆、満身創痍だ。

そんな選手たちを眺めながら、
ジムの館長がこう云った。

「やっぱり普通が一番だな。
いつもやってる当たり前の動きが出来ることが
いかに有難いものか、
こういう時によくわかるよな、はっはっは!
うむ、普通が一番!一番!」


そうなのだ。
本当の幸福は、失くして初めて気が付くものだ。
その時はそれで当たり前なのだが、
失くして初めてその当たり前の有難さに気付くのだ。
人生は、常にこの繰り返しだ。
同じ感情を、もう何度経験しただろう。
だから、今を大事に、などといつも思うのだが、
気が付いたら忘れている。
普通が普通になってしまっている。

いつも、花とそらと一緒に座って夕陽を眺めた
この相模川の水のほとりで、
私は一人、そんな事を考えた。





いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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