人形


小林秀雄に「人形」という
有名なエッセイがあります。

これは戦後間もない頃、
あるご婦人が人形を自分の子供に見立てて
まるで生きた人間の様に扱っていた、という
実に悲しいお話でありました。

人形が亡くなった子供の代わりである事は明白でありますが、
果たしてこのご婦人は正気だったのでしょうか。
正気を保つ為に自らをだまし続けていたのか、
或いは、最早心は壊れてしまっていたのか。

私はこれと似た光景を目にしたことがあり、
その時の衝撃は未だに胸に残っています。
背後にある悲しみの涙を思うと
胸が痛くなるほどであり、又、
自分もいずれこうなるのではないか、という恐怖に
足が震える思いでした。


あれから何年も経って、
倖いにも自分は今こうしておりますが、
移り変わりがこの世の定めであるのなら
誰でもが
あのような悲しい境遇に陥る可能性があるのです。
それはある意味、無垢の美しさを備えてはいますが、
やはり、本質は純然たる悲しみでしかない。

併しそれがこの世の理に根拠を成すものであるならば、
真の人生が始まるのはそこから、という見方も出来るかも知れません。
ゲーテも似たような事を云っていたような気がしますが、
仮にそうであるならば、
人生とは実に厄介極まりないものであります。

只管打坐、ちょっと座ってきます。






このエッセイには感ずる事が多く、
過去に於いてもいろいろと書いていました…。

古馬乃秀邦、人形に心を痛める

お散歩で見たこんな光景(2012年3月)


いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。


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