百年の重み


時間の推移は時として、
ある存在を元の姿形から
大きく変貌させる事がある。

例えば私の所有する「戦争と平和」は
現在(2016年)101歳になるものだが、
大正から昭和、平成へかけての長い年月の間に
親や子供、恋人に友人、戦友、
人や家庭や世間を吹き抜けた
精神的な風雨とでもいうものが浸み込んでいて、
心なしかもうそれは
単なる紙やインキの集合体ではなくなっているような気さえする。

この書物があの戦争や
その他諸々の動乱を経験していることは
間違いのない歴史的事実なのだから、
読み手の思想や感情が強く染み入っている事に疑いはなく、
形而上学的、超自然的、
アニミズム的な意味での重量を
ページを捲る心の手に
厳粛な抵抗として感ずるのだ。
それは、毎日の生活より発した
切実な感情の重さに違いない。

時間の経過による心的な要素の添加は、
物理的な物質を霊的な存在へと昇華させる。
これは決して思い込みや気のせいではない。
我が国には、付喪神という例すらあるではないか。


11APR16 KAI 038WP




いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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