両手


この場所、相模川のこのほとりで、
何度こうしてこの子たちと一緒に
幸福の時を過ごしただろう。

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町中からほんの少ししか離れていないのに、
そこは信じられぬ程に
人の世とは縁を持たぬ
絶対の孤独に守られた
私たちだけの隠れ家だった。

左手に花、右手にそら、
こうして両手に
私の幸福の根拠を抱きながら
この時が永遠に続けばいいと、
何度夢見た事だったろう。

然しそうやって夢を掴もうと無邪気に手を伸ばしていたが、
もう片方の手は世界の法則という理にしっかりと押さえつけられて
時の経過という現実を握りしめる事を義務付けられていた事に
当時の私が気付く事はなかった。

何かの本で読んだ。
片手で現実に触れながら
もう片手で夢を追う事は出来ない、と。
その事を
身にナイフで刻み込まれるように実感した。

私はあの時、人生を知ったのだ。







いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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