銀河鉄道の記憶


私はあの日、
確かに銀河鉄道に乗って夜空を旅した。

気が付くと、
きちんとお座りした花とそらが
向かいの座席に座って
私を見つめていた。
手招きすると、
ふたりは私の両脇にぴったりと
寄り添うように座った。

花とそらを撫でているうちに、
汽車はどんどんと
十字架の駅へと近づいていった。
空高くにのびた白い十字架の姿は、
静かに、厳粛に、
銀河の闇に浮かびあがっていた。

やがて、マリア様に連れられて
花とそらは汽車を降りた。
振り返り、振り返り、
名残惜しそうにこちらを見ながら、
ふたりは讃美歌のむこうに消えていった。

その時、
ふたつの新しい星が天の川のほとりに
美しく輝きはじめた。

進みだした汽車の窓から
双子の星がどんどん遠ざかってゆくのを見ながら、
私はそれこそ
声をあげて泣きたい気分であったけども、
神さまの元に帰った子らを思い、
全ては元に戻ったのだ、と、
懸命に自分に言い聞かせた。

ずっと一緒にいたかった。
みんながそう考える。
けれども一緒には行けないのだ。


だから私は、
今この人生の切符をしっかりと持って、
目の前の世界の激しい炎や荒波のなかを
大股で歩いて行かなければならない。
そうしてやっと、
私の時間が終わった時、
堂々と胸をはって
花とそらに再会出来るのだ。




私はあの日、銀河鉄道の窓から、
新しいふたつの星が誕生する瞬間を
確かにこの目にした。
この話が夢や妄想であると
誰に言い切る事が出来ようか。






いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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