そ知らぬふりして


太宰治の「火の鳥」に
次の一文がある。

過ぎ去ったことは、忘れろ。
そういっても、無理かもしれぬが、
しかし人間は、何か一つ
触れてはならぬ深い傷を背負って、
それでも、堪えてそ知らぬふりして
生きているのではないのか。
おれは、そう思う。


この中で私が重要だと感ずるのは
「それでも耐えてそ知らぬふりして生きている。」
に在る、「そ知らぬふりして」、ト云う、ここである。

こうした生きる姿勢、
悲しみを風呂敷に包んでおいて
懐深くしまい込み、
口笛吹きながら往来を大股で闊歩してゆくような
頼もしくも悲しい、そして美しい振舞い。

それは、芥川龍之介の「手巾」に登場する
御婦人の美しさであり、突き詰めてゆくと、
正岡子規の云う「禅の悟り」の崇高さに通ずると思う。


私には、まだまだ手の届かない境地だ。



みんな懸命に生きている。
22DEC15 SANSEN Park 008

いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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