ひぐらし


あの幸福の時間が終焉を迎える少しまえ、
訪れた諏訪の地で聞いたひぐらしの音色が
今も耳の底に残っている。

疲労した晩夏の太陽が
ゆっくりと山の端に沈んでゆく時、
清浄なる神々の土地には澄んだ静寂が漂い、
そこには静かに
ひぐらしの唄声だけが響いていた。

今も、その声を聞きながらこれを記している。

そして、夕陽の中を歩く、
私たちに残された只ひとりの愛する子、
花の後ろ姿が目に浮かんでくる。
その姿は、
夕陽の濃いオレンジ色に染まっている。

私たち三人の姿をそっと見守る、
精霊となったそらの姿もある。

必死に涙をこらえながら生きた日々であった。
気を緩めると一気に崩壊する事がわかっていた。
両足を踏ん張って耐えた。
今は静かに毎日を暮らしている。

私の人生は、今、静寂の只中にある。
ひぐらしの音色は、
いつか、悲しみから美しい思い出へと昇華するだろう。








いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
スポンサーサイト

| はなそらDAYz!ホーム |

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://hanasora0526.blog72.fc2.com/tb.php/1750-a3918e42
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザーのみ)