花そら双子星 相模の川のつがい鴨



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(天の川の西の岸に小さな二つの星が見えます。

 あれは、
 花ちゃん童子とぽっくん童子という
 双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮です。

 夜は二人ともきちんとお宮に座り、
 一晩、天空の回転に合わせて星めぐりの歌をうたいます。

 それがこの双子のお星様の役目でした。)




遠いむかし

まだこのあたりが
「相模のくに」と呼ばれていた頃のおはなしです。

花ちゃん童子とぽっくん童子が
相模川の堤をお散歩しておりましたら、

一人の猟師が
つがいの鴨を射ようとしておるところに
でくわしました。


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「どうかやめてください。」

「そんなことはやめてください。」



童子たちは一生懸命にお願いしましたが、
猟師の男は
きっぱりと申しまいた。



しかし童子さまたち、
 わたしたちはこうしないと
 
 <生きてはゆけない> のです。




猟師の放った矢は、
雄鳥に命中しました。





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その日の夜、猟師の男は不思議な夢を見ました。

美しい女の人が枕元で、
悲しげに泣きながら
こううたっているのです。


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女の人は男に問いかけました。

あなたはご自分が
何をなさったかご存知ありますまい
いや、ご存知ありますまい

しかし明日の夕刻、相模川においでになれば
お分かりになりましょう、
きっとお分かりになりましょう



女の人はそう云い
哀れに泣きながら行ってしまいまいた。






朝になり、
猟師の男は眼をさましましたが
夢ははっきりと心に残っておりました。

女のひとの言葉もよくおぼえておりましたので、
日暮れ時を待って
相模川へ行く決心をしました。



26JAN13 177sagami

川にははすでに
天宮の童子たちがおり

男のことを待っておりました。。



「僕、とても悲しい。」

ぽっくん童子はそうつぶやき
花ちゃん童子はジッとだまっておりました。



男は、童子たちにちょこんと頭をさげながら
いまだ半信半疑の心持ちで川岸に立ってみたのですが

はたして

そこには、ただ一羽で泳いでいる雌の鴨がおりました。



その美しい雌の鴨は
男を見るなり

水晶のようですが、しかし
何か強く決意したような

そんな気強い両目で
男を正面に見つめ

視線をそらすことなく
真直ぐに泳いで
男のすぐ傍にまでやってまいりました。



一瞬のことでありました。



鴨は

男の目の前で突然、
己の嘴を以って自分の体を裂開き

自害して果ててしまったのです。



夕陽に染まる川に
雌鴨の
悲しい絶命の声が響き


双子の童子たちは
もう目にいっぱいの涙を浮かべながら

ずっとずっと
祈り続けておりました。












猟師の男が出家して僧侶になったのは

その後すぐのことでした。





















endtittle13JAN13 020S

inspired by "OSHIDORI" written by Lafcadio Hearn (Yakumo Koizumi)







今回のお話は、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)著「鴛鴦」のオマージュです。

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