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人間世界の中の猫


もう完全に陽の落ちた帰宅の路に
猫の家族を見た。

母猫とおぼしき茶色の美しい猫が
草むらに身をかがめており、
三匹の子猫が寄り添うそうようにして
頑なに身を緊張させている。

皆がこちらを見ている。
目には警戒の色が浮かび
そこから怯えが読み取れる。
私は決してこの子らの敵ではないのに。

この家族が笑って暮らせる日はくるのだろうか。
私はなんだか悲しくなった。
人の世界にひっそりと生まれた野良猫の家族に
倖せはあるのだろうか。
母親の温もりが唯一の倖せなのだろうか。
何のために生きるのか、命とはなんなのか。
この純粋無垢な魂の尊さは絶対だ。
それなのに、
その澄んだ心に平穏を予感出来ない。
見ないふりをして立ち去るしかなかった。



いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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蓬莱


墨流しのような薄い雲に
遠く、ぼんやりと浮かぶ丹沢の山々。

もう遥か向うに沈んでしまった
夕陽のオレンジが
山々の稜線を淡く照らして、
それは恰も火鉢の底の熾火のような
暖かい輝きを描いている。

蓬莱、という言葉が頭に浮かんだ。

遥か昔、
中国の人々が思い描いた神界の島。
何かのきっかけにこの世にその姿を現す
伝説の世界。
それが蓬莱島。

私は蓬莱伝説を決して絵空事とは考えぬ。
今、目の前にある丹沢をみれば、
蓬莱の実在に何の疑いもない。
そこに神仙はきっと存在するし、
死んだ者の魂だってあるはずなのだ。

私は誓って夢想主義者ではない。
リアリストである。
韓非子やマキャベリである。
その私が、数々の現象を根拠として
確かに蓬莱を感じている。
あの西の空のむこうで、
私はいつか必ず花とそらに再会するだろう。


AUG18 073a



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黒ラベルで心に緊張を


ニヤリと二本の黒ラベル。

この二本、というのが重要だ。
殊の外に重要であるので
強調しておきたいが、
一本では駄目なのだ。
安心できないのだ。

酒を飲む人ならわかると思うが、
飲める量はその日の体調によって異なる。
これは最初の一すすりで直感出来るものだ。
うむ、今日はとことん飲めそうだ。
今日はほどほどかな。
飲める時には徹底的に飲みたいものだ。
酔いの程度がそのまま幸福感に繋がるからだ。
そんな時は、いつものビール一本では足りなくなる。
毎日一本で十分に満足できるとして、
それがほぼ決まった事実だとしても、
そうでない例外の日も極々稀に生じえるのだ。

その為の二本目確保。
この安心が平穏に繋がる。
心の保険と思えば安いものだ。
しかも、手にしたのは黒ラベル。

三本買ってはならない。
これは無粋というものだ。
10対0で勝っているのに
まだ送りバントをするような野暮と云える。
福々しく肥満した動物園の虎と
鋭い緊張感を持った野生の虎。
二本と三本にはこれ程の差があると云える。
余裕というものは持ちすぎると
心の弛緩に繋がる。

バックアップも含めての必要最小限に収めることにより
緊張感を保ちつつストレスを生じさせない
このバランスが重要なのだ。
ちょっとした日常にちょっとしたスパイスを加えることで
人生が少しだけ楽しくなる。(たぶん)



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