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達成感


どうにも中途半端はいけないという話をしてみようと思う。

何かするなら徹底的になさねばならぬ。
適当に流して体裁だけ整えてみても、
後には何も残らない。
チーズを作ろうとしてミルクに手を加えたが、
ちょっと表面に膜が出来ただけ、といった趣だ。

先日、座禅を組もうと
どっかと座ったまではよかったが、
なんだか膝が痛いような気がして
半跏趺坐にした。

実のところ、その日はどうにも弛んでいて
膝の違和感を理由に楽な作法に逃げた訳だが
たまたま魔が差した、というか、
否、本当に膝が痛いのなら仕方ないのだが、
理由にするほどの痛みでもないというか、
否々、痛みですらなく、
先に違和感と書いたが
それでは違和感に怒られるほどの程度のもので、
・・・要するに私はサボろうとしたのだ。

とにかく、
形だけでも、ト座ったのだが、
足をしっかり組んでないと
これがもう、眠くてならなかった。

う~む、う~む、とウトウトしながら、
気が付くとひどい前屈になっていて
明らかに坐睡と呼ばれる居眠り。
噂には聞いていたが、
坐睡とは甚だ心地の良いもので
特にそれが修行中に行われたということから
「してやったり効果」のようなものも働いて
実に快感であった、ような気がする。
書いていて気付いたが、
今思うと全くの時間の無駄だった。

さて、あっという間に終わった。
いつもならやり遂げた達成感に打ち震えるところだが、
そんな感動は一切なかった。

普通であれば、後半の自分は、
火にかけたヤカンのようにグラグラと煮えたぎるところだが、
半跏だと先にも述べたように
安らかな眠気にフワフワと空を漂う思いだった。
しっかりと足を組んでいれば、
まだかまだか、もう少し頑張ろう、うむ、もう少し!
などと、苦難を乗り越えて感動の終了チャイムを聞くところだが、
この日は半分寝ぼけていたので
なんの特別な感情も湧かなかった。

なるほど。
矢張り人生にはにはある程度の負荷が必要だ。





いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。
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5年


5年前のあの日、
永遠に続くかと思われた幸せな時間は
突然に崩れた。

そらが亡くなったのち、
私達は必死になって花を守った。

然しその懸命な日々もやがて静かに終わり、
そして今に至る。

矢のように飛び去るはずの現在は
凝っとして進まず、
未来は時の経過を拒否するかの様に
頑固に私を押し留め、
静かに佇むだけであるはずの過去は
そのあまりの力強い美しさに
私を大いに苦しめた。

それでも私達は生きてきた。
そして、私達を支えたのは、
他でもない、その過去であった。
美しい記憶は
時として私を悩ませたのは事実だが、
又、同時に、
無条件の愛情で私に寄り添ってくれた。

片時も忘れたことがない
花とそら
今でもはっきりと思い出せる。
だから、これからも生きてゆけるのだ。

5年が経った。



いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。

メトロノーム (後半)


さて…

この話の流れだともう大体の予想はつくでしょうけども、
はい、
結局ジム君はメトロノーム選手に負けてしまいます。

hana ordinary花「うぉぉぉぉい!www」

sora scaredそら「なんでしゅってぇ!?」


それも、何の見せ場もなく、あっさり。

hana happy花「バプス~www」

sora sorryそら「何があったというのでしゅかっ!?」


ジム君は要は、個体燃料のロケットだったのです。
固体燃料は細かい制御がききませんので
一旦点火されると一気に燃え尽きるのですが、
その分、パワーは強力ですごい推進力を発揮します。
もうこれ、例えがこれしかありません。

何しろ、途中で何の前触れもなくいきなりリタイアした
ジム君の姿は、ほんのちょっと前までの輝きは一気に消えて
なんだか干ばつの後の老木のようになっていたのです。
インスタントエイジング(瞬時の加齢)という言葉は正にこれで
もう全くの別人、誰だかわからないくらいに
燃え尽き、疲れ果て、甚だしく疲労し、
輝くばかりの若い姿は最早何処にもありませんでした。
例えは悪いですが、
半死半生の何かの干物といった趣で・・・

前半飛ばし過ぎて後半リタイア。
この選手は最早、
このパターンが様式美のようになっているそうです。
あの眩しい笑顔は
調子に乗りすぎ、浮かれすぎた結果での、
未熟なだけの子供の笑顔だったのです。
で、過去数度のレースも同じパターンでリタイアしているとか…。

200812HANA DARUMA 069

SORA uuu07JAN09 010

それをしっかりと見越して、
諦めず、
堅実さと手堅さで以て
コツコツ型の亀、そう!メトロノーム選手が
矢張り最後は勝つというこの大正義!
努力! 真面目! これこそが人生!

…ト、いう話で締めくくりたかったのですが、
ジム君の自爆ランのおかげでそれは台無しとなり、
更に付け加えると、
そのメトロノーム選手すら
全く無名の新人、しかも自らの弟子に
あっさりと抜かれて優勝を逃すという…

コピー ~ 12JAN09 218そら「はうぁっ!!」

hana ordinary花「ぷす~www」


まぁ、それはそれでドラマというか、
とにかくもう何が何だかわからないレースだったのですけども、
まぁ、しかし、堅実さは常に無謀に勝るという、
このことだけは確かなようです。

私は常にメトロノームでありたいと思いますが、
思いもよらぬ伏兵に足元を救われぬように
気を付けようと… 
あぁ、これがなんとか教訓っぽくなりますので、
どうにかシメはまとまったようです。


26MAY10S.jpg そら「現実は驚きの連続でしゅ!」

hana kyupi 花「だから人生おもろいんぞな!」




いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。

メトロノーム (前半)


先日テレビでトレイルランニングのレースを観た。

トレイルランニング、略してトレラン。
私も数年前まではこの運動にこったものだったが、
いつしか山から遠ざかるようになり
今は簡単なハイキングですら年に数回となってしまった。
矢張り、
連れて行ってくれていた花とそらの存在は大きい。

さてトレランであるが、
テレビのそのレースは何処ぞインドネシアあたりの
フランス領の島を縦断で駆け抜けるという壮大なもので、
当然火山島であるから地形も厳しく、また、
湿気を伴った暑さなので
レースは畢竟、地獄の様相となる。
観ている方は楽しい。

hana ordinary花「マジかwww」


テレビは途中からみたのだが、
アメリカの弾丸とあだ名されるすごい若者が
先頭を独走していた。
その走りは正に弾丸で、スタミナ配分など考えず
ただひたすらに駆けているのだが、
笑顔がとても眩しく
心の底からレースを楽しんでいる様が伺える。
これは異常な身体能力の高さを含む
天才タイプに違いないと思われた。

かつて一世を風靡した
高橋何某という女性のマラソン選手は
元々、ミトコンドリアだかのエネルギーを変換する機能が
どちらかというと鳥類に似ているとかで
身体の作りがそもそも違っているという話を
どこかで読んだが、
こういった変異の天才はあっさり優勝するものなので
アメリカの弾丸、ジム君、もそのままの勢いで
ゴールするだろうと
私は高を括って欠伸交じりにレースを鑑賞していた。

sora mumuそら「選手しゃんたちに謝るがいいでしゅ!」


太陽のような笑顔で先頭を走るジム君のはるか後方に
あるベテラン選手の姿があった。
名前は失念してしまったが、その選手は世界的に有名で
様々な大会で何度も優勝している実力派とのことだった。

決して自分のペースを崩さず、
焦らず…
ただ淡々と正確な歩調で進むその姿を
いつしか世間は「メトロノーム」と呼ぶようになった、ト、
その説明だけで、その選手の堅実さと手強さがわかる。

併しそのメトロノーム選手も今回ばかりは相手が悪い。
遥か彼方の先頭は、若く、明るく、余裕の表情のジム君だ。
剛は時として柔を一刀両断に断つ力を持つ。
彼にはそんな雰囲気がある。
その姿は太陽のように輝き、疲れなど微塵もない。
飛び散る汗が黄金に見えるほどだ。
私は雰囲気に弱いので
ジム君の優勝を確信していた。
「後半に勝負の時がきっと来るよ。」
休憩でインタビューに答える
メトロノーム選手の発言は強がりにしか聞こえない。
カメは決してウサギに勝てないのが現実なのだ。

hana ordinary 花「さぁ、はたして!www」

26MAY10S.jpg そら「後半に続くでしゅよっ!








いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。


記憶の鮮明


この頃またよく花とそらの夢をみるようになった。
夢のなかで私たちは
何の変哲もなく日常を過ごしている。

一緒に走り、笑い、時にははらはらし、
ふたりに挟まれて座って
そっと両脇の背に手を当てると
それはもう
生きているものから感ずる暖かい感触に違いなく
まぎれもない過去の真実の現出なのだ。

目を覚ました時に手に残る感触と
過去の現実に感じていた感触と
そこにはなんの違いもなく、
双方ともに、私の感ずる断固たるファクトである。

そうなってくると、
夢と現実とは何も変わらないと結論せざるを得ない。


8年前に私たちはあの公園を歩いた。
昨晩の夢で私たちは同じ公園を歩いた。
どちらの記憶も鮮明だ。
そこに、現実と夢との違いはない。
花とそらはいつも私と共に在る。…







私はこのように二つの現実世界を生きている訳だが、
敬愛するスーパースター太宰治も
フォスフォレッスセンスという作中に於いて
同じように語っていた。(と思う)

まぁ、あの作品の彼の筆には、
いつもの自己陶酔の悪い癖が出ているようで
そこはちょっとクスっとしてしまうところだが、
スーパースター(太宰治)だから仕方ない、の一言で解決だろう。



いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。

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