桜散る


ある春の日、
近所のお寺に寄ったところ
桜が実に美しく咲き誇る・・・ ほんの手前の状態だった。

8分半咲きプラス、といったところだったか。

風に揺れて青空に映えるその姿を
写真に収めておこうと思ったが、
私はその時、
「否、どうせなら満開の姿を撮りたい」などと考え、
カメラを収めてしまった。
桜だって、一番キレイな姿で撮って欲しいはずだ。

そして数日後、
再びそのお寺を訪れると、
あの美しかった桜たちは、
無残にも散ってしまっていた。
地面を覆う、
茶色に変色した姿が痛々しい。
まさに、
明日ありと思う心の仇桜・・・


今日の当たり前を
明日にも期待してはいけない。
今まで何度も経験してきたことだ。

併しそのことを学び、
真に自分の智慧とすることは難しい。






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7分の勝利


信玄公がご遺訓で、
軍勝はおよそ五分が上で、七分が中、十分をもって下と為す、
トいった意味のことをおっしゃっている。

完勝は驕り高ぶりをもたらすという意味で、
しかも相手の面子も潰して
恨みを買うことにもなるのだから、
なるほど、これは真理だ。
洋の東西を問わず、
あらゆる兵法書も同じことを云っている。

さて、私はというと、
歴史や兵法書が好きなので
いろいろと読み漁って知識だけはあるつもりだ。
そして、そう云っているところに
既に驕りがあるわけで、
よくよく考えると勝利の後にはいつも油断し、
そして失敗することが多い。
しかも、相手の面子など考えないばかりか、
徹底的に滅殺することに喜びを感じてしまうので
当然、その後の周囲との関係はぎこちなくなる。
(これは確か、黒田官兵衛が指摘していた)
この周囲、というのが重要で、
一人を潰すことはそれを見ている周囲をも
遠ざけることになる。
<人は常に見ている>

さて、こうして大失敗を繰り返しながら、
気にはしているのだが、それでも学ばず、
そうして今に至るわけだが、
このサイクルには
私特有のもう一つのステップがある。

失敗の後、私は必ず家康公の、
例のしかみ像の前で項垂れる。

このしかみ像自体が、
こうはならないように!トいう
戒めの絵であるのだけれども、
私のほうな凡人はこれを
何度も、何度も、何度も、何度も、
見つめて反省する機会を繰り返してしまっている。

歴史に学ぶ賢者と、経験に学ぶ愚者、
私はその愚者にすらなれていないのが現実だ。


自分で書いていてなんだか笑ってしまった。




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過去は静かに佇む


Good morning♪ Good morning♪
Good morning 花ちゃん♪
Good morning♪ Good morning♪
How are you ぽっくん♪


こう歌いながら花とそらを見つめると、
二人は歌に合わせるかのように
小さくジャンプしながら
嬉しそうに笑ってくれたものだった、最早遠い日々だ。

「未来は躊躇いながら近づき
現在は矢のように飛び去り、
そして過去は永遠に静かに佇んでいる」

これまで
このシラーの言葉を何度も書いてきたが、
今、漸く、その結びの句を
実感によって理解したように思う。

賑やかで幸福だった日々が
この静寂をより一層際立たせる。

花とそらの小さなお位牌のあるこの情景は、
永遠の、

<静かな佇み>


私の永遠は既に完成し、完結していた。










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特訓


このところ実に気分がいい。
小鳥のさえずりと風の音が心地よく、
人も美しくみえるし、
なにより空の青が綺麗だ。
太宰治っぽく云うと、
その空に舟を浮かべたくなるほどに
気分がいい。

さて、その青空のしたで
私はある特訓をすることにした。
この真夏の屋外、
身を焼く紫外線の照射に晒されながら、
公園のベンチで
模試に挑戦することにしたのだ。

この特訓には2つ(+1)の利点がある。
過酷な状況で模試を行うことにより
本番がより楽になるという点と、
時間ごとに熱射病のリスクが増大してゆくので
嫌でも解答速度があがるという点だ。

試験対策に身体的な鍛錬の要素を組み込んだ、
まったく新しいアプローチといえる。

そしてカッコ内のプラス1は、
この特訓によって得られる満足感と達成感、
これが自信に繋がるとう仕組みで、
ここは心理学的アプローチとなるので、
立体的な新規格と云えよう。
まったく隙の無いこの目論見には
我ながら感動する。
青空に舟を浮かべたいほどに晴れやかな気分だ。


さて、実際の成果はどうであるか、というと、
正直なところエアコンの効いた部屋でじっくり学習したほうが
力はつくと思う。
こういった、少年ジャ○プ的な発想の特訓が
実用的でないのは明らかだし、
そもそも外で模試をするのは恥ずかしい。

しかし、夏の間だけの季節ものなのだから、
今はこの試練を楽しんでくるとしよう。





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