着られなかった外套


この冬は、
いつもの外套を一度も着る事がなかった。

どうやら自分のなかで、
「お散歩用」と決まっていたものらしい。

花とそらがいない冬に、
もはやこの外套が着られることはないのだ。


おもえば、実に優れた機能の外套であった。

ホームセンターで購入した
heavy duty の所謂「ドカジャン」という種別であるが、
実用性を追及してあるだけあって
驚くべき性能を誇る。

先ず暖かい。
しかも、雨や雪など全く寄せ付けない
全天候対応万能型であり(そうは謳ってないが)

その強靭な繊維は
事によっては矢が降ってきても防いでくれるのではないか
と思わせるほどの頼もしさだ。

デザインはいたってシンプルなものであったので、
(そこがまたよかったのだが)
様々なワッペンをつけた。

BTT(Brazilian Top Team)や
Red Hot Chili Peppersのワッペンなど、
当時好きだったものを
計画性なく手当たり次第につけた。

結果、調和とはほど遠い見栄えとなってしまったが
しかし、なかなか気に入っていた。
世界に一着の、自分だけの一品。


花そらお散歩の時、いつも着ていたこの外套。

冬の間の毎日のお散歩、お出かけ、
晴れの日も雪の日も常に一緒であった。

ご近所のお散歩から裏磐梯の旅まで
何処に行くにも本当にずうっと一緒だったのだ。



外套は今、静かに眠っている。

たたんであったものを広げてみると、
あの子らと共に過ごした冬の間の想い出が
煙のようにふわりと沸き立ってきた。

まぼろしのようではあるが、

想い出は今もこうして
いろいろなものに宿っている。















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冬の寒さ、氷雨、時には吹雪の中を大活躍してくれた私のこの外套。
今はゆっくりと休ませてあげよう。


『楽しかったあの時をありがとう』





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散る花 咲く花


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地面を覆う花の

散ってしまった花たちの
その美しさは

とても、悲しい。








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見上げれば

桜の蕾がはち切れんばかりに
膨らんでいて


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足元には

ツクシの子供たちが
並んでこちらを見上げていた。


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目久尻川の空のしたで(3)


梅の花にも、
花とそらを感じます。

もはやあの子たちとは
この世界何処にいても一緒なのです。

この晴れた日に
なんの悲しむことがありましょうか。。







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ブルカニロ博士の講義を受けて


そうだ。
決して一緒にはゆけない。

いくら一緒にゆこうと誓った仲であっても、
決して一緒にはゆけないのだ。


だから私は、
今のこの世界で本当の幸(さいわい)を探して
ゆかなければならない。

強く、悲しみや苦しみに耐えてゆくために

この炎のなかを
この暗闇の中を

大またで歩んでゆけるようになるために。


それが、逝ってしまったカムパネルラへの
感謝であり供養の気持ちを現すことになる。



私は歯を食いしばって

この世界を力強く歩んでゆくと誓おう。


今はずっと遠くに行ってしまった

カムパネルラを
心配させないためにも


そして何より

この世界にのこされた
私のかけがえのない大事な人たちのためにも・・・









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目久尻川の空のしたで(2)


冬の間
痩せて立ち枯れたような姿だった梅は

春が近づくにつれ次第に蕾を増やしてゆき
やがてその枝に無数の花を咲かせる。


花とそらと
毎日お散歩していたころは

梅が美しく変貌してゆく姿を
ずっと目にしながら

私たちは
季節が移りかわってゆくのを

ゆっくりと、段階を以て、
その身で感じたものであった。


今、すっかり外に出なくなってしまった。


久しぶりに目久尻川を歩いてみたら
知らないうちに梅が咲いていた。


今年は、
春の到来を唐突に感じた。









雪溶けて香り悲しき梅の花

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目久尻川の空のしたで(1)


目久尻川に広がる青空のしたで

両手をいっぱいに広げて
太陽を見上げれば

身体がこの世界に
溶け込んでゆくように感じる。

光や空や山川草木、塵や原子の組成のなかに
私も同じに構成されて

この梅が感じている太陽の暖かさや

あの雲が流される風の心地よさを

全てを自分の感覚として
感じ取れるようになったとき

私は花とそらの姿をみた。


あの子たちと同じように

私はもう本当に
世界の一部になろうとし

そうして本当にそうなった。








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雪に宿る生命


雪が地上を覆いつくした時、
世界は深い井戸の底のような
絶対の静寂に包まれる。

月の明かりに照らされた
銀色と深い影との世界に動くものは何一つなく

<ただ 静けさが在るのみ>



やがて、
煌々と照らす月の光は積もった雪に吸収され

蓄積された光に
生命が

宿る。




雪山の精霊は
このようにして誕生するのだとゆう古い言い伝え。








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私の「銀河鉄道の夜2013」(3)


わたしたちは、
銀河鉄道の切符を持つ事を許されているかぎり

その切符をいっしんに握りしめ

荒れ狂う火や激しい波の中を
大股にまっすぐ歩いていかなければならない。

疾風に抗う勁草で在り続ける事が
花とそらへの供養であり感謝の気持ちを表す事になるのだ。

この切符は花とそらがくれたプレゼントだ。

ずっと大切にして、
ゆけるところまでこの旅を続けてゆこう。

車窓に広がる世界には

星々が音をたてるように輝いている。







おわり




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私の「銀河鉄道の夜2013」(2)


「おまへの愛する子たちは何処か遠くへ行ったのだろう。
 あの子たちはね、本当に今夜、すごく遠くへ行ったのだ。
 おまへはもう花とそらを探しても無駄だ。」

「ああ、どうしてなんですか。
 私は、花とそらと一緒にまっすぐに行こうと云ったんです。」

「あゝ、そうだ。 みんながそう考える。
 けれども一緒には行けない。」




ブルカニロ博士は続けました。

「そしてみんながカムパネルラだ。

 おまへが会うどんな人でも
 みんな何べんもおまへと一緒にに苹果を食べたり汽車に乗ったりしたのだ。

 だからやっぱりおまへはさっき考えたように
 あらゆる人のいちばんの幸福を探しみんなと一緒に早くそこへ行くがいゝ。

 そこでばかりおまへは本当にカムパネルラといつまでも一緒に行けるのだ。」





花とそらと共に過ごしたあの日々の記憶、
手帳に書き留めた
あの子たちの言った全ての言葉、

これらが私たちにとっての
絶対の真実であり現実であり

この旅を続ける為の切符であるのだ。


私たちは、きっとまっすぐに進もう。









(3)へ続きます。


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私の「銀河鉄道の夜2013」(1)


十字架の前を流れる天の川には
うっすらとした銀の霧がかかっていました。

花とそらはこちらを
振り向き振り向きしながら
ゆっくりとその中へと進んでゆき

迎えにきてくださった
マリアさまと共に

やがてその姿は
白い光のなかへと消えていったのです。

別れの時でした。


私たちはただもう

(この小さなひとたちに永遠の平穏がありますように)

本当にそれを祈るだけでした。




それから汽車の中は
俄かにがらんとして寂しくなり

風がいっぱいに吹き込んできて
ひたすらにだだっ広く感じられました。


ふうと息をついて
私はママにこう申しました。

「また僕たち二人きりになったねえ。」



銀河鉄道は、
またゆっくりと進みはじめていました。





(2)へ続きます。





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雪の子供たち


雪の子供たちに
旅立ちの夜がやってまいりました。

灰色雲のお母さんは
とても心配そうですが、
子供たちは大はしゃぎでいます。

お弁当を持ちました。
水筒に水を詰めました。
僕たち、準備万端です。
お母さん、地上ってどんなところなのでしょう?

地上はとても美しいところです。
でも、とても疲れています。
皆さんは辺りを白一色に覆いつくして、
全てを静寂に包みこみ

夜が明けるまでの少しの間、
世界に休息をもららすのがお仕事です。
きっと頑張って下さい。

うん、僕たち、頑張る。



こうして子供たちは
天空よりひらひらと舞って

この地上にやってくるのです。
(深い静寂に世界を眠らせる)





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僕たち、
また花ちゃんそらくんに会えるだろうか?

もちろん会えますとも!

えぇ、楽しみです!

きっとみんなで遊びましょう!
















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花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その1


私にとって

花とそらとのお散歩は
なくてはならない生活の一部でありました。

「今日は何処に行くの?」

そんな笑顔をみせながら
車に飛び乗るあの子たち、

「わぁい!さぁ、歩こう!」

到着した公園で
待ちきれずに座席で足踏みしつつ
飛び降りてくる無邪気なあの子たちの姿は、

まさに

欠かすことのできない
人生の一部であったのです。


その日々を偲びつつ
今、花とそらのいた公園を歩く。


この公園もまた、

花とそらと一緒に歩いた場所なのです。





花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その1





南北に長いこの公園、
ちょうど中間程に駐車場が位置しており

そこから先ずは南下して
広場にゆくのが、
花そらのお気に入りコースでした。

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私たちが「風の広場」と名付けたこの場所は

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いつも心地よい風が吹いており

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日影もあって
花とそらのお気に入りの場所でした。

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みんなで過ごしたあの

<静かで穏やかな時間>



そこには

一切すべての幸(さいわい)があったのです。







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今、ひとりこの場所にたたずみ

あの日々を思いながら
私は、

愛する子たちに語りかけるのです。


「楽しかったね。」

「幸せだったね。」

「みんな一緒だったね。」







その時、風の広場に広がる
おおきな、おおきな、青空に

風の吹き抜ける青空に

のびのびと駆ける
あの子たちの姿が見えたのです。


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わたしたち僕たちは
楽しくやっております

いつもおそばにおります




花とそらがそう語ってくれているように
私には感じられました。






花空公園巡り「引地川親水公園」は、その2に続きます。



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思えば遠くへきたものだ (MAR14)


2011年の7月に、
こんな記事を書いていました。

過去の自分が
今の自分を励ましているかのように感じます。
(当時の熱血口調はちょっと失笑モノですが

それにしても良き、良き日々でした。









人生

ふと立ち止まって振り返ってみると・・・


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と・・

自分の歩んできた道のりの長さ、

その過程にあった出来事の一つひとつに
ちょっとビックリしてしまいます。

皆さまもきっとそうでしょう。。



誰の人生でも、それはッ!
例外なく、長く厳しく、険峻を極めるものだ!


いろんなことがある。

本当に
いろんなことがある。


しかし私たちは
それら全てを乗り越えて、

今!此処にいるのだ!


そのことには深い意味があるはず・・・!!



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よろめきながらも
困難な道を歩いてきた自分

歯を食いしばり
涙を流して耐えてきた自分


そんな自分をたまには、
思いっきり誉めてあげようぜッ!




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中原中也詩集 (新潮文庫)中原中也詩集 (新潮文庫)
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中原 中也、吉田 ヒロオ 他

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地質学に、
「現在とは過去の積み重ねの結果である」
といった意味の言葉があります。

「現在」という結果は、
「過去」にあった絶対の事実の上にしか成り立たない、といった意味です。

たとえば、有名なK-T境界線とユカタン半島のクレーターなどが、
6500万年前にあった何らかの天体衝突の事実を現代に伝えているワケですが・・

『現在があるのは過去があったから』という
このある種、究極の科学的な言葉・・・

文学的あるいは、思想的and/or 哲学的にとらえると
ちょっと恐ろしいことになるような気がしますので、

私はこれを『戒めの言葉』として心にメモし、常に思い出すようにしています。


話はそれますが、こうして考えると、
やはり科学と宗教というのは少しの違いもないもののように感じます。

一流の科学者や宗教家は、皆様そうおっしゃいますが・・・

だんだん意味がわかってきました。(MAR14)







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サンムトリの山だけが知っている


「太陽に黒い棘が刺さっていて
 とても危険です。
 僕たち、ちょっと行って取ってまいります。」

サンムトリの山にそう言い残し、
ネネムとプドリは旅立っていきました。



それから半年たちますが、
太陽は何事もなかったかのように
ギラギラと輝いています。

人間たちは、
あくせくと畑を耕し

鳥はさえずり動物は駆け、
野山には緑が溢れています。

世界には何の変わりもなく

ただ、ネネムとプドリだけがいなくなりました。


サンムトリの山だけが知っています。






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