花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その9


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その9

「菜の花の土手」





毎年、春になるとこの土手は、
一面が明るい黄色に覆われる。

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春の到来を告げるこの
命の力に満ち溢れた美しい菜の花たち。

花とそらは、
この明るい、春の到来に喜び輝く花の群れの中を
軽やかに駆けるのが好きだった。

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エヘヘと笑うふたりの顔には、
黄色の花弁が可愛らしくくっついていて、

その身体は、すっばいような緑と、
柔らかな花の香りに包まれていた。

「春」という季節がくれた
自然のアクセサリーと香水をまとった花とそらは、
穢れのない清らかな、形而上的な何か、

まさに、天に愛された、神の子のようであったのだ。

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毎年、春になるとこの土手は
一面が明るい黄色に覆われる。

去年も一昨年も、その前もそうだったし、
これから先もきっとそうだ。

そうして私は、
あの遠い幸せの日々を思いながら

これからも
この土手を歩いてゆくのだろう。




ずうっと言い続ける。

幸福の記憶をありがとう、花、そら。。







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花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その8


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その8 

「年年歳歳花そら相似たり」





シロツメクサに覆われた
この公園。

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川沿いのこの美しい広場を
花とそらはよく歩いた。

草の上は冷たくて気持ちが良いのか、
花はよくここに寝そべり
そらはすぐ傍にオスワリをした。
花とそらにはこの白く素朴な花がよく似合った。


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かつて

お散歩中にそうしたように、
この同じ草原に膝をついて
精霊となったあの子らをそっと撫でた。

その私に応えるように、
やはり花はぶぅと鼻を鳴らし
そらはいつも通りに甘えて私の手に頭をこすりつけた。

(なにも変わらない)

実在が今ここに無くとも、
精神的な距離は少しも変わることはないのだ。
私の愛する花とそらはいつだって一緒なのだ。





視界の片隅で風に揺れるシロツメクサの花が、
何かを言いたげに
じっと私を見つめていた。

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「年年歳歳花そら相似たり」

心に住む存在は消えることがなく
その命は永遠である。













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花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その7


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その7






この公園には
ちょっとした丘がある。

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下から見上げていると
思わず駆け上がりたくなってくる。

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「登った先には何があるのだろう。」

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「どんな景色が見えるのだろうか。」

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花とそらは、
きっとそんな思いだったに違いない・・・
 








私たちはこの丘の上で、


遠くの団地を眺め

川の流れに歌い

夕暮れに佇みながら


家族みんなで風に吹かれた。




初夏のこの季節は、

濃い紫の西の空に輝く
一番大きな明星にむかって、
何度も何度も懸命に祈った。

(きっといつまでも、みんな一緒でいられますように。)

















いま、花とそらは去ってしまった。

愛する子たちとの日々を思いながら
一人歩いていたとき、
この丘の上に座っているご婦人とワンコを見た。

ご婦人の横にちょこんと座るワンコ。
その肩から首筋を
ご婦人の手が優しく撫で、
ワンコは気持ち良さそうに
目を細めていた。
確かな幸福がそこにはあった。

幸せそうなふたりの笑顔に
私は

過ぎ去ったあの日の自分たちの姿を
重ねずにはいられなかった。



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そう。

私たちもその同じ場所で、同じように幸せを確かめ合った日々があったのです。







花そら公園巡り 厚木市若宮公園 その3


花そら公園巡り 厚木市若宮公園 その3


2013年6月の
あの運命の日から

永遠を願った四人の家族が
三人になってしまったあの日から数日後

私たちは、思い出の公園を歩いた。
もう四人ではなく

(三人でのお散歩)




ママと花と三人で
クローバーの広場に座り

そらのいないその違和感に
悲しい現実を知らしめられ

しかしそれを
決して認めることなく

懸命にそらの名を呼んだ。


<泣いてはいけない>

泣いたら現実を認めることになる。

私たちはその時、
そらのいない現実と直面するには
あまりにも傷つき、疲れすぎていたのだ。


なにかひとつきっかけがあれば、
たちまち暴発しそうな感情を無理に押し込めて

私たちは、
精霊となったそらの名を呼び続けた。


そしてふと、
何かの拍子に顔を上げたその時、

真っ直ぐに視界に飛び込んできた小さな木が
初夏のまだ涼しさを残した風に揺られ

こちらの注意を引くかの様に
キラキラ、キラキラと、意味ありげに不思議に輝いていた。



(呼んでいる)

直観した。

この木はそらだ。



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木には魂が宿りやすいのだという。


その時、私たちは再び四人の家族だった。

いつも通りの四人で、
ずっとずっと会話し、日が暮れるまで語らいだ。

そこには確かにそらがいたのだ。

今でもそう信じている。



















一年たった今でも

私はこうして
この公園に通い

対話を続けている。




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花そら公園巡り 厚木市若宮公園 前篇 

花そら公園巡り 厚木市若宮公園 後編




花そら公園巡り EX 風心地よく


2013年12月、弱り切っていた私にとっては
どんな些細な負荷もが苦痛で
向い風に感じる抵抗にすら心が折れる思いであった。

私はまさに、
木から落ちる寸前にある
寒風に晒された初冬の枯葉でしかなかった。

そんな時、ふと見上げた空を
トビが飛んでいた。

冬の強い風に吹かれ、上昇し、
正面からの気流に上手く乗って
悠々と滞空しながら、転瞬、

一気に急降下して
そこからまた、ふわりと上空にのぼってゆく。

風を心から楽しんでいるかのような
その姿に

私はしばらく見とれてしまった。



なんという静けさだろう

なんという平和だろう

なんという荘厳さだろう




はっと我にかえった時、
何故であったろう。

急速に心の雲が散り霧が消えてゆくのを感じたのだ。


砲弾に吹き飛ばされ、倒れた空を見上げた時のあの
アンドレイ・ボルコンスキーの覚醒とはかようなものであったかと

実感できたような気がした。


花とそらを失った後、
公園を呆然とさまよい歩いたあの日々から

脱却の

その一歩を踏み出した瞬間でありました。






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花そらも一緒に🎵

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花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その6


花そら公園巡り 
「藤沢 引地川親水公園」 その6




この公園からの帰り道に
よく通ったラーメン屋さんがある。

午前中にたっぷりと公園をお散歩し、
その帰りにこちらで
腹ごしらえしていくのが楽しみだった。

疲れて、車の後部座席でよく眠っている花とそらに
「ちょっと待っててね。」
と、声をかけると

花をぶぅぅ~と鼻を鳴らし
そらは安らかな寝息でこたえてくれた。




花とそらのいた日々はもはや遠く、今、私は一人だ。

あの日々を思いながら食べるラーメンに
悲しみが込み上げてきて

必死に涙をこらえながら
麺をすすった。

早い午前中の時間、
店内には若い店員さんが一人。
黙々と何かの作業をなさっている。

いつもの変わらぬ寡黙な若者が
いつもと変わらず静かに真面目に働いている。

私はこの思い出のラーメンを食べ終えるに近づくにつれ、
もしかしたら外には
いつも通りに我が家の愛車があり、
いつも通りに花とそらが後部座席で寝ているのではないか、と、
そんな想像、錯覚、否、「願望」に浸っていた。

然しそれは、この現実を再認識させるだけの、
苦しみを増やすだけの不毛なものでしかなかった。

もとより承知している。

現実はわかってはいるのだが、
夢を見ずにはいられないのだ。

花とそらのいたあの日々が
懐かしくてたまらないのだ。



食事を終え、店の外へ出た。

そこには、
乗ってきた赤い自転車が
冬の冷たい風に吹かれて

ひとり、私の帰りを待っていた。


花とそらはもういない。
ずっと遠くへ行ってしまった。

みんながカムパネルラと一緒に行きたいと望むけれども
決して一緒には行けないのだ。


この現実をしっかりと受け止め
私はこれからまた走りださなくてはならない。

風の強い冬の空に
薄い雲が高くひろがっていた。

私は、「よし、出発だ!」と、
小さく然し力強く言って、自転車をこぎはじめた。

(2014年冬に記す)






花そら公園巡りは、その7へ続きます。

花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園~ その5


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園~ その5

「団栗の階段」




この公園に隣接する
大庭神社の階段。

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花そらは階段を昇るのが
好きだったので、

ここはよく
一緒に駆け上がったものだった。

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今は

思い出を噛みしめながら
一段、一段、

ゆっくりと昇ってゆく。

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ようやく登り切った時、
子供が置いていったものだろうか、

そこには団栗が並んで在った。

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何故だろう。
私は無性に嬉しくなった。


「世界は美しい」

世界は本当に美しく優しいのだ。
強く、そう感じたこの午後。















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「花そら公園巡り 引地川親水公園」はその6へ続きます。


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園~ その4


花そら公園巡り「藤沢市 引地川親水公園」その4



この公園の南端に、
引地川に合流する小さな川が流れています。

その川沿いの土手にある
細く、真っ直ぐに伸びるこの道。


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過ぎ去りしあの日々、

花とそらは王様の軍隊のように
堂々とこの道を歩いたものでした。


春には野草の花の中を

夏の夕暮れに夕陽や星をみながら

秋にススキに見守られ

冬には心地よい寒風に吹かれて


私たちはこの道を歩いたのです。





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振り返っても一人
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この写真は、昨年初冬に撮ったものです。

今はもう初夏、
景色は違っています。

新しい命が芽吹き
桜が咲き、散り・・

そして緑はより一層の濃さを増して輝いています。

世界は、
春の再生から夏の隆盛へと移り変わってきました。


時は流れているのです。









花そら公園巡り「引地川親水公園」は、その5に続きます。


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その3


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その



この桜のトンネルを
私たちは歩きました。

それはもう、
何度も一緒に歩いたのです。

今年の桜に、
花とそらはいませんでした。


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明日ありと思う心の仇桜
夜半に嵐の吹かぬものかは





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右上に、そらのしっぽがちょっと見えてます







花そら公園巡り「引地川親水公園」は、その4に続きます。

花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その2


花そら公園巡り ~藤沢市 引地川親水公園 ~ その2


この公園には、
花が大好きだった・・いや、これでは言葉が足りません。

花がもう、それはもう本当に大好きだった、
そこへ行けばどんなに疲れていても
スキップして大喜びに走った、というコースがあります。

ススキや灌木の中を進むこの木道には、
私たちの目には映らない
不思議な何かが在ったのでしょうか。。




バックパックにしまった
花そらのカラーをぽんぽんと軽くたたき、
さぁ歩こう!と、コーススタートです。

「花ちゃんの大好きだった道だよ、ゆこう! そらもね!」
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かつて、小走りで賑やかに進んだ道も
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今はゆっくりとした一人の足音だけが
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周囲の静寂に響くのみです。。
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テットーとテトナレスが見えます。
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確かにこの道に、花とそらはいたのです。



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はしゃぐ花と
つられてハイテンションになったそらに引っ張られて

あたふたと進んだこの木道。



今は静かに、
一歩一歩を踏みしめながら

思い出を噛みしめながら

ひとり歩いてゆくのみです。




見上げた先に、あの子たちの姿が・・・
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ここを曲がればもうすぐ終点です。
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出口が見えてきました。
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短いコースですが、
思い出は尋常でない密度をもって
たくさんたくさんつまっています。

みんな楽しい記憶です。



その大切な思い出のコースを振り返り

やっぱり私は、
花とそらの姿をそこに探してしまうのです。

もしかしたら、
ふたりして寄り添いオスワリしているのではないか、
こちらに駆け寄ってきてくれるのではないか、と・・・


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わかっているのですが

どうしても
そうせずにはいられません。






現実はいまだ
私にとっての現実になってはおらず、

きっとこれからもそう在り続けるものだと思います。

然しながら、それがわかっているのは
自分を理解している証拠とも言えるはずです。

禅を志す者が、
長時間座り続ける行為が自分にとっての最悪の苦痛と気づく(挫折)ことは
大きな一歩だといいますが

それと似ているかもしれません。
違うかもしれませんが、それはそれでいいと思います。
火もまた自ずから涼しくなる日も
いつかきっと来るでしょう。

この「おのずから」というのが大事だと自分は考えています。
流れに逆らうは溺れるの理です。







太陽はただ優しく
さんさんと世界を照らしていました。

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すべては在るが如くに在り
輝く如くに輝くもの

花そら公園巡り「引地川親水公園」は、その3に続きます。




いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。

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