プッサン「アルカディアの牧人たち」


今、この絵を見ると大きな衝撃を受ける。


昔もそれなりに唸ったものであったが
それは心からのものではなかった。

解釈を知った、
というつまらない自己満足。

それだけであった、が・・・


今は違う。



Arcadia Poussin 14



アルカディア・・ 
理想郷、ユートピアとかいった意味らしい。

この絵の舞台は、そのアルカディアだ。

三人の男たちが囲んでいるのは石棺、
そしてそこに刻まれた言葉は、
「我もまた此処にあり」転じて

『楽園にも死は存在する』



永遠の牧歌的楽園に
あってはならない、否、あるはずのない「死」の存在。

それを示す石棺と碑文をみて
とまどう牧人たち。

右端の女性は、
(いろいろな解釈and/or 説があるらしいが)

「受け入れるべき運命」を擬人化したものらしく、
取り乱す男をなだめるように
肩に手を置いている。







あの日々が永遠に続くものだと
漠然と信じていた私は、

まさにこの牧人たちだ。


ユートピアの住民である自分には
自然の摂理など

一切の関係がないものと
疑うことすらしなかった。

そして、そこへ突きつけられたこの現実。



MEMENTO MORI (メメント・モリ): 死を忘れるな


この言葉は深く胸に打ち込まれて
もはや抜ける事はない。

私はまたひとつ、
人生を学んだのだ。













いつも読んでくださっている皆様、有難う御座います。

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美術で新しい自分を発見


パパの愛するクロード・モネの

『ラ・グルヌイエール』をごらんいただこう・・・


monet frog pond



いやぁ、なんかこの手前の波と光の表現とか
ルノワールのものよりはるかに
すごすぎねっ!??





HANAsmile03SEP09.jpgHANA「光といえばモネだもんね



コピー ~ 12JAN09 218SORA「ぽっくんの肉球スタンプ画法だって!」

sora mumuSORA「・・・いや、負けを認めるでしゅ! 潔く!







当直の明ける寸前
朝の0400時頃に


寝ぼけ頭で
この絵をながめてたら



頭の中で 

ドプ~ンッ!

と、その手前の深水のトコに飛び込んでました。




スクリューキックの要領で
鉛直方向に飛び込んだので

ドバシャァァァン!

でなくて

ドプ~ン!

でした。



>スクリューキック
hana ordinaryHANA「は? ぷす~ww





絵の中の人々が、
みんなビックリしてこちらを振り返りましたが・・・


なんか『新しい世界を見てしまった』ような気がしました。



27DEC08SORA GYASUSORA「自分を解き放つでしゅ!」






美術なら(パパ大ファンの)中野京子様の著書がオススメ・・・

印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)
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中野 京子

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南フランスの農民たち その4


ジャン=フランソワ・ミレー 

なんだか
ずいぶんと長くなってしまいました


しかし、
なかなか語りたいことが多くて
短くは出来ないんですよ~(>_<)

ダラダラとした長文を
もっとすっきりさせる訓練をしなければ!

hana happyHANA「と言ってる間にもう無駄な文が ぷす~ww


あれっ!?ホントだ!


では、「南フランスの農民たち」
最後の一枚いってみましょう。。


その作品は

もう説明なんて不要なくらいに
美しい・・・





懸命に生きている人間の美しさ

崇高で荘厳で
格調高く

神々しくもあり
そして
極めて人間的でもあり

とにかく
圧倒的なまでの存在感を持つ。。

この世界で最も美しい絵画はと問われたら、
パパは迷うことなく
この作品をあげることでしょう。





ミレー作   『晩鐘』
                 
angelu 01







この作品には
いろいろな解釈がありますが

パパはその一つ一つが
全て正解であり、
ミレーの表現したかったものだと思っています。



この夫婦の姿は

① 「死者のために祈りを捧げている」ものであり
(アンジェルスの祈り:Angelus Domini nuntiavit Mariae)

同時に
② 「一日の終わりに大地の恵みに感謝し
今日一日を無事に生きられたことを神に感謝している」

ものでもあり・・・

そして
③ 「背景には教会の鐘の音が鳴り響き」

音すらも
ミレーは絵画で表現してしまっているのです。。

(ちなみに、パパが一番好きなのは②です)




貧しくも
清く 懸命に

人間らしく生きたこの時代の農民たち


その敬虔な祈りは国を超え
時代を超えて


わたしたちの胸に響いている


どんなに小さい人であっても
人はこうして一生懸命に生きてきた


その厳然たる事実、
それだけは・・・

何百年たっても
色褪せることはない


彼らの成し遂げてきたこと
彼らの生きてきたその姿が

時代と空間を超えて
この時代に誰かの心に響くのであれば

彼らはもはや
神の如き崇高な存在になったと

そう言えるのではないだろうか・・・?





長きに渡ってみてきました
「南フランスの農民たち」

いかがだったでしょうか?


絵画って
いろんなものが込められてて

見ているだけでも
人間の崇高さや美しさを感じることができるもの、

パパは勝手にそう思ってます


いろんな絵をみてたくさん妄想するのも、
これがまた楽しいものですしね~


絵画をみる楽しさ、
それが少しでも皆様に伝わってたら


パパちゃん、
ちょっと嬉しいな~・・・








花そらでみる絵画
『南フランスの農民たち』

おわり

南フランスの農民たち その3


さぁ、
とうとう「その3」まできてしまいました


前回は、

農民たちが
石ころだらけの荒れた土地を

己の体と鍬一本で開墾した
その苦労をみましたので・・・


今回は
その次の段階いってみましょう。




              仕事にでかける人
walkwork01.jpg




                   馬鈴薯植え
millet poteto01



今夜の食事もままならない貧困にあって、
明日への希望は
今日を生き抜く勇気を与えてくれる。


「馬鈴薯植え」

未来の実りに希望をはせ
明日の収穫に祈りを捧げる






しかしこの時代、
ポテトはなんというか・・・

「普通には食べられていない」食品でした。


おそらく現代のポテトとは違ってて
「普通には食べられない」食品だったのではないか?
と、パパは勝手に推測しています。

人間の手で、
食べやすいように品種改良されまくってきたのが
現代のポテトじゃないかと思うんですよねー。

なにしろ、
どうしようもない飢饉の時などに
"非常食として仕方なく"食べられていたのが
当時のポテトなんですよ。

「パンがなければポテトを食うしかない」
ってカンジです。

全然関係ありませんが、
「パンがなければケーキを・・」という
マリー・アントワネットが言ったとされるあのセリフ、

あれは革命派によるプロパガンダで
全くの事実無根であったということが
現代ではわかっています。

HANAsmile03SEP09.jpgHANA「元ネタはたしか、ジャン=ジャック・ルソーだったよね。」

そうですね。
ルソーの一文がうまく利用されちゃいました。

それにしても、
当時の大衆洗脳、扇動というか・・・

「噂コントロールテクニック」は
そりゃあ効果的ですごいものでした。
パパの大好きな分野です。

具体的には・・

コピー ~ 20091209180634afdSORA「ま~た、話が脱線してるでしゅね~・・・」


おっと!いかん!

では話を元にもどします

つまりですね、
当時のポテトは
食べられるレベルの食品ではなかったのではないか?
と、パパは勝手に思ってるワケですが、

閑話休題(それはさておき)

そのせいか、
フランスのポテトは当時、
「下賤の者が食べる卑しい食品」
という
とんでもないレッテルが貼られていました。

したがいまして、
評論家のお偉い先生方の目には

この「馬鈴薯植え」もまた
下品な作品と映ってしまったのだそうです。



前回に紹介しました
「鍬を持つ男」もそうだったのですが・・・

ミレーの描くこういった世界にこそ、
『人間の持つ崇高な美しさ』
があるとパパは思うのですが・・・



そうは感じなかった
当時の評論家の先生方は

なんと不幸な人たちだったのか。。

なーんて
思っちゃいます


hana aHANA「足なんて飾りぞな!」

sora mumuSORA「偉い人にはそれがわからないんでしゅ!」


ジオンのあの兵士じゃないけど、

いつの時代も
偉い人にはわかりにくい事ってのが
あるもんなんでしょうかねぇ・・・





最後に


これは重要なのですが

そのようなレッテル張りをされていた
この馬鈴薯、

バルビゾンの農民たちはこの馬鈴薯を
毎日の主食としていました。



そして彼らは

命を養ってくれる貴重な食料、
大地からの大いなる恵みに・・・

そのありがたみに

日夜、祈りを捧げることを忘れませんでした。






そのお話は



次回



その4で・・・









南フランスの農民たち その2


前回の続きです

ジャン=フランソワ・ミレーの描く
バルビゾンの農民たち

前回、そのテーマで数点の絵画を
紹介するつもりだったのですが

またいつもの
無駄な駄文のせいで
意味もなく長くなってしまったので・・・

今回の「その2」とあいなった訳なのでございます。

hana happyHANA「早くも文章が無駄に長い ぷす~ww



どんどん行きましょう!




                   鍬を持つ男
ManwithaHoe01.jpg


石ころだらけの荒れた土地を
鍬(くわ)一本で耕す農夫。


こんなにも硬く
そして広大な土地を

この鍬一本で
耕さなければならない。


その身体は疲れ果て
枯れた老木のようで

その風貌は、
ただひたすらに寒厳だ。



この農夫の粗末な服装や
真っ黒に日焼けした顔と
その暗い表情は、

一見すると
不気味な雰囲気を醸し出しているように見え・・・

それが原因で
当時、
まるで悪魔の如く忌み嫌われて

評論家たちから
激しく批判されたのだそうです。


まぁ、
それもその時代ならではの
評価なのでしょうけども・・

しかし
パパちゃんは
そういった評価には同意することは出来ません。


パパが思うに、
この絵で本当に見るべきはその表層ではなく

その背景に厳然と存在する
この農夫が歩んできたその歴史、
人生そのものだと思うのです。






その険しい面持ち

これは彼が
長い間苦労して生きてきたことを示すものであり


それはそのまま

この一人の男が
体を張って、
家族を守ってきたことを表しています。


それから
このゴツゴツとした
武骨な手

これは、
彼が何年も何年も

一生懸命に働き続けてきたという
ゆるぎない証、

積み上げた
途方もない時間の結晶、

そう!

『男の勲章』と言ってもいいでしょう。


悪魔などとは対極に位置する
この崇高な姿・・・



この一人の偉大なる農夫は

家族のため
生活のために

歯を食いしばって
鍬を振い続けてきた




風の谷のあの人が見たら、
この手をさして
きっとこう言うでしょう。

「働き者の綺麗な手だわ」





この手を見て下され、
ジル様と同じ病じゃ
あと半年もすれば石と同じになっちまう

じゃが、
わしらの姫様はこの手を好きだと言うてくれる
働き者の綺麗な手だと言うてくれましたわい




sora mumuSORA「風の谷のおじいしゃん!」


hana happyHANA「ま~た話が脱線してきちょったぞな~ww」



いやぁ、
ラピュタといいナウシカといい
ミレーの世界とかぶるところが
多いような気がするんですよ。

土や穀物の描写とかね



それにしても、

またも長くなってしまったので
これまた次回(その3)に続くってことで!


も~こうなったら

パパちゃん、いくとこまでいくぜ・・・






ManwithaHoe01a.jpg





南フランスの農民たち


貧しくも

美しく清廉なそして
崇高な魂を持った農民たち



前回、ゴッホの「古靴」で
こんな話をしたワケですが・・

この展開だと
あの人を紹介しないワケにはいけません。

そう!

自らを「農夫の中の農夫」とまで言った
バルビゾン派の大ボス

ジャン=フランソワ・ミレー

南フランスの農民の絵といえば
この人でしょう。

(ちなみに、ゴッホが「古靴」を描いた当時はバルビゾン派に影響を受けていたそうです)


ミレーは、
南フランスのバルビゾンという農村に定住し

大地と共に生きる
力強い農民たちを描き続けました。

貧しいながらも
美しく生きる農民たち


厳しい環境の中での労働、その尊さ、
貧しいながらも懸命に生きている
その崇高な姿を

ミレーは
絵画で表現し続けたのです。

貧困の中にこそ
本当に光る人間性が
生まれるものなのかも知れません。

バルビゾン村民「そんなに貧乏、貧乏って言わなくても・・・」

失礼しました(>_<)


では、
ヒューマニズム溢れる彼らの美しい姿を
みていただきましょうか・・・



                  羊飼いの少女
milletflock01.jpg

観測者が1.6mの視点からみているとして
地平線までだいたい4.4km、

しかし
地平線が大きく湾曲してるので
すっごい大地が広大にみえる・・・

そしてそこにたたずむ
この年端もいかぬ少女、

編み物をしているのですが・・
そこにもまた何か
少女独特のドラマ性を感じます。

しかし
ワンコ好きとして注目せねばらならないのは
そこではない!

そう!
編み物に夢中になっている少女が
すっかり忘れてしまってるこの羊の群れ

それを統率しようと
頑張っている・・・

画面右の黒いワンコ!

この子にまずは
惜しみない拍手を送ろうではありませんか!

hana face1HANA「突っ立ってるだけじゃん・・・」

そうすることで
羊を威嚇してまとめてるんですよ!
(キリッ!

sora mumuSORA「ぽっくんなら、羊しゃんのお尻に噛み付いてやるでしゅ!」

それは全く意味がありません!





・・・と

なんかまたいつもの
ワケのわかんないパターンが紛れ込んでしまった為に

ずいぶんと長くなってしまいました(>_<)

読んでくださってる方がいらしたら
ごめんなさい!


本当は、
ミレーの絵を数点紹介するハズだったのですが・・

ま、

その2に続くってことで







ところでパパちゃんは、
バルビゾンの農村と

ラピュタのシータ(ヒロインね)の実家とが
やたらかぶるんですよねー。

「人は土から離れては生きられない」

というシータの主張や、

「土に根をおろし風と共に生きよう。
種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。」


というセリフあたりが
強く影響していると思うのですが・・・



「そう言われたら確かに!」

と、
感じてくださる方が
いらっしゃったら

ちょっと嬉しいな~



古靴は語る


フィンセント・ファン・ゴッホ
Vincent van Gogh


今回は、
彼の描いた 「古靴」

コレを語ってみますぞなもし。





この作品、

重たそうな古い皮靴が
ドーンと描かれています。

gogh_souliersa.jpg



いかにも履き潰したような
この古い靴。

これは、ハイデガーによると
南フランスの貧しい農民の靴なのだそうです。
(違うという意見もありますが)

過酷な農作業に
耐えてきたであろうこの革靴




古びた皮の匂いと
湿った土の香り、

ズッシリとしたその重さと・・

そして
ほのかな暖かさが伝わってくる。



その暖かさとは、
きっとこの靴の主人が持つ
生きていく力 家族を守ろうとする意思

そんな
自己超越性のもつ
人としての人そのものが放つ

精神の醸し出す
熱エネルギーのようなであるかもしれない・・・


>精神のエネルギー
コピー ~ 2009120917595096cSORA「スタンドでしゅね! (キリッ





この古靴、

誰がどんなふうに
履いていたのだろうか?



そこにあった
その人生を考えると

不思議と

その情景が
浮かんでくるような気がしてきます・・・


hana happyHANA「妄想くるか? ぷす~www



冷たく広大な畑に

マメだらけの痩せた手に鍬を握り
土を耕す

汗はもはや枯れ果て
腕は疲労にふるえるが

それでも
力をふりしぼって
この大地を耕す


働いても働いても
暮らしは貧しい

どうもがいても
何も変わりはしない


曲がって固まってしまった腰をのばし、
灰色の厚い雲で覆われた
遠いあの空を見上げれば

この世はなんと
厳しく辛いものなのか・・・!



しかし

わたしには
帰れる場所がある


そこには愛する家族があり

子があり 妻があり


たとえこの身が朽ち果てることとなっても
守ってゆきたい人たちがある





さぁ、もうひと頑張りだ


力を込めて

この靴と共に
この大地を踏みしめよう!


生きてゆこう

今日を そして明日を






この時代、
ロシアの農奴や
日本の荘園もそうですが

領主に対して農民というのは
強い隷属関係にあり、
絶対的な権力と暴力で支配されていました。

農民は人間としてではなく
家畜と同等に扱われていたのです。



働いても、働いても、
生活は豊かにはならず

貧困のドン底であえぎ
今夜の食事すらままならない・・


しかし

常に飢えてはいたが
子供たちには笑顔があったろうし

愛する家族には
ぬくもりがあったろう、だからこそ

今日のこの一日に感謝し
明日を生きることが出来たのだ!






そんな貧しい農民たちの


汗と涙と、血反吐と絶望と・・

不条理な世界へ対するルサンチマン
それでも生きてゆくその勇気、

苦しさの中での
ささやかな喜び、

家族への思いや

愛や



それら全てが
染み込んだこの


重い重い
とてもつもなく重い
 



そこに生きる人間の魂がこもった

履き古されて痛んだこの重い靴!








フィンセント・ファン・ゴッホ


その偉大な芸術家が描いたその靴



その靴は
静かにそこに佇むばかりだが
しかし



目を凝らせば

耳をすませば

心を開けば




そこに描かれた人間たちの
生命の息吹が鼓動が

静かに、しかし力強く確実に

現代を生きる私たちにも


血を帯びて伝わってくるようではないか・・・!







最後にもう一度、

この絵をご覧いただこう。



最初にみた時とは

きっと違ってみえるはずです・・・





gogh_souliersa.jpg





はなそらでみる絵画
「古靴は語る」



おわり


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