智恵子抄に思う


「智恵子抄」

清らかな川に一つひとつ
花を流してゆくように、
作者はその思いを
静かに詩に紡ぎ続ける。

そこには最早、
緊張も焦りも現世の慌ただしさの一片もない。
あるのは、
諦念の果ての澄んだ静謐、
神々しいまでの厳粛のみである。

風碧落を吹いて浮雲尽き
月東山に上って玉一団

ひとりの人間がこの境地に行きつくまでには
どれ程の苦難と涙があったのだろうか。



(以下、高村光太郎「智恵子抄」より)


千鳥と遊ぶ智恵子

人っ子ひとり居ない九十九里の砂浜の
砂にすわつて智恵子は遊ぶ。
無数の友だちが智恵子の名をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい ──
砂に小さな趾あとをつけて
千鳥が智恵子に寄つて来る。
口の中でいつでも何か言つている智恵子が
両手をあげてよびかへす。
ちい、ちい、ちい──
両手の貝を千鳥がねだる。
智恵子はそれをぱらぱら投げる。
群れ立つ千鳥が智恵子をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい──
人間商売さらりとやめて、
もう天然の向こうへ行ってしまった智恵子の
うしろ姿がぽつんと見える。
二丁も離れた防風林の夕日の中で
松の花粉をあびながら私はいつまでも立ち尽くす。



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値いがたき智恵子


高村光太郎の「智恵子抄」で語られる悲しみは、
今まさに進行している
生々しい現実の匂いがする悲しみである。

小鳥と遊び、
時には小鳥そのものになってしまう、
見るに忍びない愛妻の姿。
ついに精神の破綻を来すに至った
智恵子さんを見守りながらの生活は
どんなにか苦しいものだったろうか。
妻のかつての健全な姿を思い浮かべる時、
高村の胸には
どれだけの悲しみが
突き上げたことだったろうか。


共に生きてゆく。

その境地に至るまでには
苦難の道程があっただろう。
然し、
この詩集に収録された
数々の美しい言葉に見て取れるように、
その心境はやがて、
細雨の後の大気のように
清らかで静謐なものに
自然と落ち着いていったのだろう。

「妻は最早この現世を共用してはいない。」
その事実を受けとめ、人生を捧げる高村の姿は、
厳粛なまでに美しく、そして神々しい。





(以下、高村光太郎「智恵子抄」より)


値いがたき智恵子

智恵子は見えないものを見、
聞えないものを聞く。

智恵子は行けないところへ行き、
出来ないことを為る。

智恵子は現身のわたしを見ず、
わたしのうしろのわたしに焦がれる。

智恵子はくるしみの重さを今はすてて、
限りない荒漠の美意識圏にさまよい出た。

わたしをよぶ声をしきりにきくが、
智恵子はもう人間界の切符を持たない。


あの日々 Those days with HANA and SORA  (DEC14)


そしてこちら。……
Avril Lavigne の「17」という曲をベースにしたこちらの記事は、
一ト月程前に記したものです。

花とそらのいたあの日々を思い出すと
今でも涙が流れます。

然しそれは嘗てのような、
悲しみに苦しむ涙ではなく
悲しみを洗い流す涙に変わりつつあるのです。











あの日々 Those days with HANA and SORA


(verse)
私たちは走った
お散歩した
泳いだ
遊んだ
毎日が冒険だった、あの日々

私たちは歌った
抱きあった
見つめ合い
顔を見合わせて
たくさん笑いあった、あの日々

(bridge)
そうだ、あの日々はもう遠い
でも目を閉じてキミたちを想えば
いつでも気持ちは戻れるんだ

(chorus)
私たちは世界の頂点にいた
何も怖くはなかった
私は純粋な子供のままで、
キミたちもまたそうだった
自由でワイルドに生きた
ただ愛だけがあった
あの日々、あの過ぎ去りし日々……


(verse)
私たちは歩いた
太陽のもと
雨のなか
森を草原を巡る四季を
ずっと一緒に歩いた、あの日々

私たちは生きた
肩を寄せ合い
夢を語り
心の底から愛し合い
この先もずっと
ずっと一緒だと信じていた、あの日々

(bridge)
そうだ、あの日々はもう遠い
でも目を閉じてキミたちを想えば
いつでも気持ちは戻れるんだ

(chorus)
私たちは世界の頂点にいた
何も怖くはなかった
私は純粋な子供のままで、
キミたちもまたそうだった
自由でワイルドに生きた
ただ愛だけがあった
あの日々、あの過ぎ去りし日々……







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Avril Lavigne の「17」より、本歌取させていただきました。。
(といっても、一二箇所、しかも日本語での拝借ですが)
過ぎ去った過去を思う、曲全体に漂う切ないイメージを借り受けたのです。
今更ながら、彼女の表現者としての素晴らしき才能に驚きです……



Avril LavigneAvril Lavigne
(2013/11/05)
Avril Lavigne

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Avril Lavigne "INNOCENCE" (DEC14)


こちらは、約二年前に記したものです。

「この今の幸福が永遠に続けばいい」
そう願っていたあの頃でしたが、
片手に「現実」を支えながら
もう片方の手で「永遠」を掴む事はとうとう出来ませんでした。

心の何処かではわかっていたこの結末ですが、
だからこそ、あの頃は毎日が輝いていたのだと思います。
その毎日の、今思えば涙が出るほどに貴重だった幸福を表現したものが、
今回のこの記事です。

(当時の原文のまま記載します)









HANA・SORAで読む文学(番外編)

     Avril Lavigne INNOCENCE














忙しく過ぎてゆく毎日

1Avril10FEB12 020



ふと立ち止まり
周囲を見渡し気付く


2Avril27OCT11a 030





ひとつ ひとつの
小さなこと


それが今のこの

大きな幸せを形作っているんだって


3Avril13JAN12 029







あなたたちの

1Avril10FEB12 352


あなたたちの

2Avril01JAN12 099



純粋無垢な輝き

3Avril10FEB12 013







あなたはとても美しい

AAv01FEB12 040



あなたはとても美しい

BAv29JAN12 114





あなたはとても美しい



あなたをみていると

涙が溢れてくるようだ・・・




Avril26DEC11 002







ついにみつけたこの場所

すこしの悲しみもなく


静かな


私が私であれるところ




A11FEB12 039av










何ひとつ変わることなく

この瞬間が永遠であって欲しい・・・・・









Best Damn ThingBest Damn Thing
(2007/04/17)
Avril Lavigne

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HANA・SORA and Avril Lavigne 
いかがだったでしょうか?



ここでの歌詞ですが

大筋は原曲にそってますが
ポイントのみを抜粋して組み替えてあります。

なぜなら原曲は恋について歌ったもので、
そこにパパが共感するのはちと難しいので
具合のいいトコだけピックアップしているのですね~



なら何故、
そんなことまでして
Avrilを聴いているのかというと・・・


彼女の書く歌詞を恋愛モノのみとしてとらえないで、
自分の立場とか環境とか
人間関係なんかに当てはめて聴いた時

その時に
とんでもないモンスターソングに化けるものが
いくつか存在するからなのです。

このInncenceという曲もその一つです。


「純粋無垢なものの持つ美しさ」
そこに触れた時、涙を流さずにはいられない・・・
そしてその瞬間に永遠を祈る。。



いかがでしょうか?

自分の立場で考えた時、
皆さんが持つ大切な存在を表現するのに
これ以上の言葉があるでしょうか?



Avrilの書く歌詞。

そこにあるのは、
一般ウケだけを狙ったような
ビジネスライクなものでは持ちえない

本当に表現したいものを
懸命に歌ったもの(たとえ稚拙と言われようと!)のみが発することの出来る

不思議なパワーが宿っている!!



なんてね






ちなみに一番のオススメはこの一枚

Goodbye LullabyGoodbye Lullaby
(2011/03/08)
Avril Lavigne

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花そらで読む「東京だより 太宰治」


花そらで読む 

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戦時下の東京では、少女たちも毎日、工場で働いていました。
隊列を組み、産業戦士の歌を合唱しながら
朝早くから工場へ出かけ、
夕方はくたくたに疲れながらも
凛々しく行進しながら帰宅する。
皆が一様に同じ外見に見えるのは、
国の一大事に「個人の事情」などを放り出し、
一身を国に捧げている為でしょうか……。

時代の中で、皆が懸命だったのです。

そんな中、太宰治はある工場に
人を訪ねてゆきます。
(彼は所謂「丙種」だったので、出征出来ませんでした)
事務所の片隅で人を待つ間、
彼は抜かりなく事務仕事に従事する女子たちを観察します。

女子たちは皆、黙々と働いています。
個を抑え、公に献身する産業戦士たちは、
皆一様に同じ事務服、同じおかっぱ頭に同じ真剣な表情で、
全員がそれこそ脇目もふらずに勤務に従事しています。
部屋には帳簿を捲る音と算盤を弾く音が
静かに響くのみです。

一様にうつむいて
せっせと事務を執っている少女たちを見渡すうちに、
太宰はある事に気付きます。
すこしの特徴もない普通の少女たちの中に、
どうしたわけか、
一人だけ非常に際立った
他とは違った不思議な雰囲気の子がいるのです。

その少女は、他の子と全く同じ服装に髪型で、
顔も平均的だし、何処がどう違うわけではありません。
外見は皆と一緒なのです。
そうでありながら、黒いあげは蝶の中に
一羽だけ虹色の蝶がまじっているみたいに
鮮やかに他の人と違っていて
その少女はひどく美しいのです。

そうです、美しいのです。
一人だけが抜きん出て美しいのです。

何故だろう?

太宰はいろいろと思案しますが、
これはきっと先祖が高貴な身分だったに違いない、と考えます。
幾代かの高貴な血が、
この何の変哲もない平凡な外見の少女に
驚くべき美しさを与えているのだと結論し、
実に父祖の血は重大なものである、などと溜息をついて感心しながら
一人で興奮するのですが、それは全くの見当違いでした。

少女の発する不思議な美しさの原因は、
もっと厳粛な
崇高といっていいほどの切羽詰まった現実の中にあったのです。

(その理由については、とても私の稚拙な文章では表現出来ないので、
太宰の原文をそのまま掲載したいと思います。)


或る夕方、私は、三度目の工場訪問を終えて工場の正門から出た時、
ふと背後に少女たちの合唱を聞き、振りむいて見ると、
きょうの作業を終えた少女たちが二列縦隊を作って、
産業戦士の歌を高く合唱しながら、工場の中庭から出て来るところでした。
私は立ちどまって、その元気な一隊を見送りました。
そうして私は、愕然としました。
あの事務所の少女が、みなからひとりおくれて、松葉杖をついて歩いて来るのです。
見ているうちに、私の眼が熱くなって来ました。
美しい筈だ、その少女は生れた時から足が悪い様子でした。
右足の足首のところが、いや、私はさすがに言うに忍びない。
松葉杖をついて、黙って私の前をとおって行きました。









太宰治というと、「人間失格」などのネガティブな作品を
苦笑いと共に連想される方も多いかと思いますが、
彼の本当の魅力は、
この作品のように人間の崇高な姿を描いた作品群にあると思います。
ちょっと考えただけでも「眉山」「黄金風景」「葉桜と魔笛」
いくつかの作品に登場する、水死した水夫のエピソードなど、
例をあげれば、いくらでも出てきますが、
中期の短編群には文学史上もっと評価されるべき
珠玉の名作が本当に数多く存在するのです。
今回紹介した「東京だより」も、そのひとつです。

人間に対する鋭い観察眼と深い愛情、
それを表現出来る天才的な文才、(そしてちょっぴりのユーモア)
こういったものを軸とした、実に健康的で爽やかな
愛すべき酔っ払い作家、太宰治。

これからも、彼の美しい作品を紹介してゆきたいと思います。
ぜひまたお付き合い下さい。







あるお寺で見かけた言葉です。
瞬時にこの作品の少女を思い出しました。


Flower 2014-06-19 001 004

「初恋」 島崎藤村   SEP14  


2012年10月に、こんな記事がありました。
美しい文学を花とそらと共に語る・・・ 本当に良き日々でした。

自分もいつか、
あの子たちとの思いでをこの詩のような美しい言葉で綴ってみたいものです。


(今はただ、不器用にどもりながら、
 不格好なれども気持ちだけはある言葉を記してゆくのみ。。)










(2012年10月)

花そらと読む    
  初恋 島崎藤村




A11JULY12a 056toson


B07AUG12 067toson


C07JUN12 011toson


D26AUG12 021toson





まだあげ初めし前髪の

林檎のもとに見えしとき

前にさしたる花櫛の

花ある君と思ひけり








なんと日本語とは斯くも美しいものであったか・・・!

それを再認識させてくれるのが、
この、島崎藤村の「初恋」という詩であります。


学生の頃に散々読んだハズなのに、
当時はこの美しさに
全く気付くことはありませんでした。
(単に、テストのお題くらいにしか思っていなかった。)

しかし今ふと読んでみて
そのあまりの美しさに驚愕し、
椅子を蹴って立ち上がり
天を仰いでため息をついたほどでした。

自分でもビックリです・・・



HANAsmile03SEP09.jpgHANA「"まだあげ初めし前髪の" のトコがいいよね!」



そうなんです!

そこはもう最高ですよね!!



sora tangSORA「ぽっくん、いまいち意味が・・・」


詳しい意味よりも、
ここはその雰囲気を楽しんで下さい。

純真純朴な明治の若者たちの
その初々しい恋のイメージというか・・

それは十分感じ取れるハズなので
意味もおのずと「体感」出来ると思います。

音読すると
更にそれがわかると思うので

ぽっくん、いっちょ声に出して読んでみよう!


sora mumuSORA「了解でしゅ!」


コピー ~ 2009120917595096cSORA「まだあげしょめし、前髪の!」



*詳しい意味については、インターネットで調べると
 多くの博学の士たちが解説下さっているので
 そちらにおまかせする事といたします・・・









島崎藤村「初恋」

日本語のもつ
その繊細ではかない

野にひっそりと咲く
「触れなば折れん」的な可憐な一輪の花のような

hana ordinaryHANA「しつけ~www」


その危なっかしい美しさ・・・



それをあらためて教えてくれるのが
この奇跡のバランスで綴られた言葉の芸術なのです。


う~ん、日本語って、やっぱり超絶美しいなぁ!










*音読すると感動が倍増! <お試しあれ!

若菜集 (愛蔵版詩集シリーズ)若菜集 (愛蔵版詩集シリーズ)
(2002/12/25)
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~ おまけ ~



hana ordinaryHANA「明治で恋といえばっ!? はいっ!


コピー ~ 2009120917595096cSORA「月が綺麗でしゅね~!」


明日が来ないとしたら Norma Cornett Marek  (JAN14)


2012年2月に、以下のようなエントリーがありました。
ずっと、いつかくる別れに恐怖していた自分がありました。

あの頃の自分は哀れなものでした。
考えても仕方のない事に恐れおののき、
その時に目の前にあった幸福を見る目が
涙でかすんでいるような状態だったのですから。

だからこそ、

<その幸福を全身で力いっぱいに感じたかった>



遠い、遠い日々です。












花そらで読む

 Tomorrow Never Comes      

             Norma Cornett Marek




当たり前の日常が
明日は来ないとしたら

今日が全ての最後だとしたら


私はいま

 愛する子たちを
   全身でもって抱きしめたい


そして 


HANA09OCT11 431a


SORA09OCT11 343a



そう思っている
   その気持ちを


そっとささやき伝えたい



「ごめんね」「許してね」
   「ありがとう」「大丈夫だよ」と

そう言える時間を持ちたい





そうすれば 

たとえ明日が来ないとしても

今日を後悔することはないだろうから・・・







11FEB12 041norma












最後だとわかっていたなら最後だとわかっていたなら
(2007/06/26)
ノーマ コーネット マレック

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FOOT PRINTS マーガレット・パワーズ


前回の「花そらFOOT PRINTS」は、
マーガレット・パワーズの詩「FOOT PRINTS」を骨組とし、
自分の言葉を組み入れながらひとつの詩に仕立てました。
(「換骨奪胎」などといいます)

原詩の中では、「私」がやはり夢の中、砂浜を歩いているのですが、
傍らで一緒に歩いてらっしゃるのは、キリスト教の神様です。
砂浜は、お気づきと思いますが、人生の道を表しています。
「私」が振り返ると、歩んできた長い道のりを示すように、
延々と二組の足跡が残されており
その頭上の夜空には、その時々の人生の光景が
写真のように映し出されています。

「私」は、懐かしく自分の人生を振り返ります。

が、しかし、ある事に気付いて悲しい気持ちになってしまいます。

「私」が人生に於いて最も苦しく最も辛かった艱難辛苦の時期、
その時の光景が映し出されている夜空の下には、
なんと”一人分のあしあと”しかなかったのです。

何故だろう?
何故、自分が本当に切実に、誰かの助けを必要としていた苦境の時に、

どうして自分は一人で歩いていたのだろう?
いかにして神様は自分を一人ぼっちにしてしまったのか?

何故、神様は一緒にいてはくれなかったのか!?



「私」は思い切って、神様に尋ねてみます。

「神よ、私があなたについてゆこうと決心した時、
 あなたはずっと私と共に歩み、共に語って下さるとおっしゃいました。
 それなのに、私が最も辛かった時期、
 そこには一人ぶんのあしあとしか残されてはいませんでした。
 わからないのです。
 何故、私が最もあなたを必要としていた時に、
 一緒にいては下さらなかったのですか?
 何故、私のもとを去られていたのですか?」

神様はそっと囁き、こうこたえてくださいます。

「私の大切な子よ。
 私はあなたを愛している。
 苦しみの中にあったあなたを
 決して決して一人になどはしていなかった。

 愛する子よ

 あしあとががひとつだったとき、
 私はあなたを背負って歩いていた。



















この美しい詩、今、以前にも増して
私の心に染み入ってきます。





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そらと修羅 

ポンぽんぽんぽんぽん・ぽっくんの伝記


P21NOV12 052tittle

種本: 宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」





FM22NOV12 080


「あのサンムトリ山、
 ぽっくんの計算によると近いうちに噴火するでしゅねぇ・・・

 何せ、サンムトリの底のガスの圧力が90億気圧以上になってるでしゅから。
 あの山は80億気圧にしか耐えられないハズなんでしゅよ。」

パパ、ママ、HANAも、みんなが一緒にうなずきました。


その時・・

コピー ~ A22NOV12 153vol


サンムトリの青い光がグラグラと揺れだしました。

そして、
たちまち山はスイカを割ったようにまっ二つに開き、
黄色や褐色の煙がぷうっと高く高く噴きあがりだしたのです。


ガーン! ドロドロドロ! 

続いて耳がやぶれんばかりの大きな音がして、
とうとう山は大噴火をおこしました。


PO22NOV12 124

ポンぽんぽんぽんぽん・ぽっくんは、
気高い紺青色に輝いて静かに云いました。


「ぽっくんはどうも実に偉い。
 今や地殻までがぽっくんの神聖な裁断に服するのだ。」

パパがそう云うと、
ママも

「実にポンぽんぽんぽんぽん・ぽっくんは超怪である。
 私はニイチャの哲学が
 おそらくはぽっくんから暗示を受けているものであることを主張する。」

そう云いきったのです。


「ブラボォ! ぽっくん、ブラボォ!」

HANAが叫びました。


ぽっくんは静かに空を見上げました。

その顔はまるで青空よりもかがやき、
上等の瑠璃よりも冴えていました。

POKKUN20NOV12 046


ぽっくん、ブラボォ!

ぽっくん、ブラボォ!ブラボォ!


みんなのブラボォの声は高く天地にひびき、
地殻がノンノンノンノンとゆれ、

やがてその波がサンムトリに届いたころ、
サンムトリはその影響を受けて火柱高く第二の爆発を起こしました。



AP21NOV12 039


BP22NOV12 109


パパママHANA、そして周囲にいたたくさんの人たち、
みんな一緒に立ち上がって

「ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!
 ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!」

と、ポンポンポンポンポン・ぽっくんの名を叫びながら踊りはじめました。


CP22NOV12 141


DP22NOV12 127


EP22NOV12 123


向うではサンムトリが第三回の爆発をやっています。


FP18NOV12 045



「ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!
 ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!」



「ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!
 ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!」




「ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!
 ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!」





「ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!
 ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん! ぽっくん!」













コピー ~ 22NOV12 003dreaming








SORA smile 11AUG09 028SORA「・・・という夢をみたでしゅ。」






hana ordinaryHANA「ぷっす~www」











ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(2012/09/13)
宮沢 賢治

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